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田原総一朗さんが起業家から引き出す「正解のない時代」の考え方:『起業のリアル』読了

田原総一朗さんの『起業のリアル』を読了。

>> 田原総一朗さんがLINEやスタートトゥデイから起業家の成功に迫る対談集:『起業のリアル』中間記 <<

後半に登場する起業家は

リブセンス 村上社長 // テラモーターズ 徳重社長 // innovation 岡崎社長 // リビング・イン・ピース 慎代表 // ティーチ・フォー・ジャパン 松田代表 // ベレフェクト 太田代表 // ディー・エヌ・エー 守安社長 // サイバーエージェント 藤田社長 // 特別対談:堀江貴文

といった目次立て。

正解のない時代の課題設定

この中で印象的であったのは、田原さんとティーチ・フォー・ジャパン松田代表のやり取りで

田原:いまの学校の一番の欠陥は、正解のある問題の解き方した教えないことですよ。見えない社会で必要なのは、むしろ正解のない問題に対応する力、

もっといえば問題そのものを見つける力です。そういう意味では課題解決より課題設定でしょう。

松田:おっしゃる通りで、私も課題解決と同時に課題を発見していく力は必要だと考えています。

田原:これは日本の昔からの課題ですよ。僕は日本の教育について、宮沢喜一や橋本龍太郎といった歴代首相と議論したことがある。

そのとき彼らがいっていたのは、国際会議で欧米の大臣は積極的に発言するけど、それと比べて日本の総理や財務大臣は発言が少ないということ。

なぜ発言しないのかというと、間違いを恐れているからです。日本の教育は正解のある問題ばかり解かせてきたから、口をつぐんでしまうのです。そのあたりはどう思う?

松田:日本とアメリカの両方で高等教育を受けたので、その差は肌で感じています。日本だと、教室は理論を教えてもらうところですよね。

一方、アメリカでは毎週、授業を受ける前に五00ページ分くらいの論文の束を渡されて、理論を頭に叩き込んでこいといわれます。

授業は理論を使って議論する場所。それぞれが自分の意見をぶつけ合うということが非常に重視されていました。(71%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

この主張は前回の引用と同様、またしても先週受講した藤原和博さんの主張と一致する内容です。

>> 藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱 <<

藤原さんの論旨は、” 正解をいち早く言い当てる力 ” が、学校教育で今も昔も重視されているが、今の時代は

情報編集力 : 自分の考えを他人と触れさせ、修正していく力、「正解主義」→「修正主義」が求められているとおっしゃってました。

この部分、徳重社長も類する事に言及されており

” 向こう(アメリカ)では頭のいい人ほどクレイジーで、大きなことをぶちあげるんです。一方、日本は頭のいい人ほどロジカルで、大きなことをいわない。だから優秀な人がベンチャーに流れてこない。” (53%)

頭の中が「正解」を追い求めていたり、そこに縛られている限り、本来、備わっている力を引き出す事は導けない事を意味するのかもしれません。

Questions and Answers signpost

ポスト・ホリエモン時代の感覚

その他では・・

村上社長:” 不便や問題を解決するのがビジネスの基本です。” (48%)

慎代表:” 努力は根底に自分を愛せる心がないとできないと思います。” (66%)

” 相手から感謝されるかどうかを気にしていたら、自分が正しいと思ったことができなくなる。

誰も評価してくれなくても、自分がやりたいと思ったことや、いいと思ったことをとことんやる。そう心がけています。” (68%)

田原: “巨万の富を得られる力を持ちながら、それを社会のために使うというのは、いまの若い世代を象徴する働き方の一つだと思う。” (69%)

といったところに刺さりが。

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従来型日本企業からポスト・ホリエモン型へ

本の最後では田原さんが「あとがき」で、(従来型の)日本企業が如何に競争力を失ったかについて分析がなされていて

” 僕(田原)は要因が二つあると思う。一つは、よく言われているように、競争相手が増えたということだ。かつては価格の安さと品質の良さがメイド・イン・ジャパンの売りだったが、

韓国や台湾、中国といった国々が品質の良いものを日本企業より安い価格でつくるようになった。

もう一つ、日本的経営が負の要因になったことも大きいだろう。日本的経営は、終身雇用、年功序列で、社員の面倒を一生見ていく。

マルクスは労働者を商品でなく人間として扱うべきと説いたが、日本企業は社員を家族として面倒を見た。

大企業になると、企業年金にとどまらず、社宅や保養所まで、本当に手厚い福利厚生があった。企業が家族的な経営をしてきた背景は二つある。

一つは、高度成長で企業に余裕があったこと。もう一つは、労働組合への対抗だ。

日本の労働組合は、戦前は共産党系が、戦後は社会党系が強かった。そのため企業は、社会主義や共産主義の組合が理想とする社会より、

資本主義社会のほうが豊かで安心できることを社員に示す必要があった。

つまり企業は、労働組合に社員を奪われまいとして福利厚生に力を入れたわけだ。

これは非常にうまくいった。家族的経営のおかげで社員は愛社精神を持ち、多少の無理もいとわず会社のために働いた。だから日本企業は世界で勝つことができた。

ところが、冷戦が終わって、潮目が変わった。共産主義・社会主義国が瓦解すると、労働組合もイデオロギー的基盤を失って弱体かした。

そうなると、企業は労働組合とはりあう必要がなくなり、株主の利益を増やすことばかり考えるようになる。

社員は代替可能な部品に過ぎず、賃金はできるだけ安いほうがいいと経営者が考えるようになったのも、おそらくこのころからだ。

冷戦の終結によって、企業が日本的経営によって社員をつなぎとめる必然性が薄れ、それまで隠れていた資本主義の本質がむきだしになっていったのだ。” (97-98%)

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時代に感覚を馴染ませてくれる一冊

この本では新しい企業体の担い手、最後で衰退の一途を辿る従来型の企業体について言及され

それを読めば時代は移ろい、進んだ時計の針が元に戻る事はないであろう事は容易に想像出来るわけで

読み手の頭の中の時代認識を再認識させ、上手に時代の感覚を取り込んでいる人たちの共通点などに光があてられ

ご自身は自伝(下記)等で生涯を振り返る限り、ディレクターとの立場を強く自認されているようですが、ジャーナリスト田原総一郎の真骨頂が伝わってくる一冊でありました。

田原総一朗さんがLINEやスタートトゥデイから起業家の成功に迫る対談集:『起業のリアル』中間記

 

田原総一朗さんの『起業のリアル』を読み始め、半分あたりのところまで。

ポスト・ホリエモンの起業家に共通する点とは?

ジャーナリスト田原総一朗さんと若手起業家の対談集。登場する起業家は田原さんが定義する「ポスト・ホリエモン」と称する堀江貴文さんの後の世代で

” おとなたちを挑発するような荒々しさはない。乱暴な言葉遣いはしないし、物腰もやわらかだ。

また堀江の時代の起業家は、いきなり自分で会社をつくってベンチャービジネスをやった。一方、ポスト・ホリエモン世代は、まず企業に就職する。

その会社で一生を終えようと考えているわけではない。サラリーマンをしているあいだにビジネスのノウハウや生きるための知恵を身につけ、そのうえで独立して事業を起こす。じつに堅実だ。” (1%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

と分析。また

” ROE(株主資本利益率)よりソーシャルインパクトを重視していることも、ポスト・ホリエモン世代の特徴だ。彼らは自分が儲けることより、新しい事業で社会を変えることに喜びを見出しているという。” (1%)

近年の起業家の傾向が異なってきている点を指摘。本の前半に登場する起業家は

LINE 森川社長 //  スタートトゥデイ 前澤社長 // チームラボ代表 猪子代表 // ユーグレナ 出雲社長 // フローレンス 駒崎代表 // マザーハウス 山口社長 // e-エデュケーション 税所代表 // ライフネット 岩瀬社長

以下、個人で刺さりのあった箇所から引用すると・・

 

「とにかくシンプルに、ユーザーが求めるものをつくり続けるだけ」by  LINE 森川亮社長

LINE は、主としてスマートフォンでスタンプ等を使いコミュニケーションを取るものとして爆発的に人気を博しているアプリ。

” 商品開発には二つの方向があります。一つはグーグルさんのように、人が欲しがるのかわからないけど、エンジニアがおもしろがってつくったものをとにかく世に出して、その中で当たったものをビジネス化していくやり方。

もう一つはアップルさんのように、人が求めるものを突き詰めて考えて、一個に絞り出すやり方です。” (4%)

LINE創業の背景・・

” 水のようなサービスをつくりたかったのです。水って要らない人がいないですよね。スマホにおける水は、コミュニケーションです。その分野でトップになろうと試行錯誤しているうちに生まれたのがLINEでした。” (5%)

興味深いのは、同社で・・

” 会議も仕様書も、事業計画もない。”

という実態。厳密には事業計画はあるそうですが、

” 計画があると、つくり手は計画通りやろうとします。たとえば三ヵ月の計画が二ヵ月でできたら、もうちょっと何かやろうという話しになるし、

逆に本当はもっとかかりそうだったら、何か削ってしまおうとしてしまう。でも、それはユーザーにとって無意味なこと。

一番大事なものはいいものを早く出すことなので、つくり手もそれに集中してもらったほうがいいですよね。” (6%)

同社の隆盛は・・

” 結果的に収益が出たというところ ” (6%)

だそうで、

” とにかくシンプルに、ユーザーが求めるものをつくり続けるだけです。” (7%)

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田原さんが、森川社長との対談を終え・・

” 「企業が収益化を考えると、ユーザーはそれに気づいて離れていく。だからいま(LINE社は)広告はやっていない」と言う。

こうした姿勢がユーザーを惹きつけ、結果的に収益の増大につながっている。儲けようとしないほうが、かえって儲かる。それがいまのビジネスのトレンドなのだろう。” (8%)

と総括。多くの方が独自性を感じる経営スタイルと思いますが、結果が出ているだけに、新しい経営の在り様となるかもしれないですね。

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その中でもユーザー目線、スピード重視は特徴的です。

因みに、同社の収益は

” ゲームやスタンプといったコンテンツの売り上げが大きいです。” との事。(7%)

 

「僕の幸せの大部分は、人の幸せが占めています。」by スタートトゥデイ前澤友作社長

スタートトゥデイ(日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営)の前澤社長は・・

” 「争うのは嫌い」” (9%)

との肌感覚から

” うち(スタートトゥデイ)の基本給とボーナスは、全従業員一律。成果報酬にして、仲間同士で競い合うより、楽しく働けますから。・・中略・・

いまは、競争するより協調したほうが、「経済合理性」がある。競争によって刺激されなくても、みんなお客様にとって便利なもの、新しいものを自発的に生み出すマインドになっている気がします。」” (13%)

前澤社長の哲学は

” 僕の幸せの大部分は、人の幸せが占めています。じゃあ、どうやってまわりの従業員やスタッフ、その先のお客様や取引先、株主のを楽しませたり驚かせたりすることができるのか。

それを考えてやってきたら結果的に儲かっていたという感覚 ” (13%)

収益に目的とせず、結果的に収益が出たとの経緯は、LINEの森川社長と共通した流れですね。

因みに同社では

” 一二の五月から、九時出社で午後三時に終わる「六時間労働制」を始めました。仕事は短時間で集中して終わらせて、もっとよそで学んだり、遊んだほうがいい。” (11%)

との経営判断。「よく遊ぶが良い」との指摘は、先週、講義を受講した藤原和博さんからのメッセージと一致します。

>> 藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱 <<

 

ブレる事なく、我が道を行き、思いを遂げている時代の先導者たち

この他、事業規模の違いはあれども、それぞれも思いをビジネスで体現された方々の体験談、時代を視る目、経営感覚について語られていますが

共通して感じられた事は、他者に惑わされない視点、感覚。必ずしも利益追求ではない点。自然体である点など。

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特に、貢献や感謝される事の重要性に重きを置かれている方が多い印象。

世代の違いもあり、価値観を異にする田原総一朗さんが、まっさらな感じで斬り込む感じが、読者の立場と近く、感情を共有しやすい仕上がりとなっています。

 

 

川井隆史さんが教えてくれる使える外資系エリートの仕事術:『外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術』読了

『外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術』を読了。とあるご縁から巡り会った1冊。

著者の川井隆史さんはアーサー・アンダーセン(現あずさ監査法人)、日本コカ・コーラ、GE(ジェネラル・エレクトリック)という名立たる外資系で、財務、経営企画関連のディレクターとしてキャリアを築かれた後に独立。

本では、主として外資系で培われた仕事術について紹介。

新卒時は、国民金融公庫に入社されたもののロバート・B・ライシュの『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』を読まれ・・

” 問題発見、解決能力のある知識労働者のみがホワイトカラーとして存在し、残りは対人サービス労働者とルーティーン生産労働者のみである。ここでは、以前の中間層であった普通のサラリーマンという層は消滅している。” (prologue)

との著者(ロバート・B・ライシュ)の予言に危機感を抱き、「すぐに成長したい」との思いから一念発起して1年間の勉強生活を経て、公認会計士の資格を取得し、上記の外資系でキャリアを積む経歴に至った。

外資系で出来る人が実践しているシンプルだけど大切な3点

ご経歴の中で実績を残せたのは、「シンプルだけど大切な仕事についての心構え」を持っていたからだとして、それが下記の3点。

1. すぐに動け

2. 期限は死んでも守れ

3. 言われたことだけやるな

(prologue)

これらは、外資系企業の「できる人」に共通するものであったそうで、日本人が苦手とする順番に並べられたもの。

外資系企業では短期間で社員の優劣を判断するため、この3点が判断基準となり、これが身に付いている人の成長は早く、自然と上司に目をかけられるようになる。

優秀であるためには、努力し続けなければならない

また、この3点に加えて、「優秀であろうとする誇り」も大切で、くり返しアーサー・アンダーセン時代に役員から言われた言葉に

” 世界一のの会計事務所に入社した君たちは優秀なのだ。人より優れていて当たり前であり、それを維持し高めるためにも、つねに努力しなければならない ” (prologue)

特に留意しなければならないのは、「つねに努力しなければならない」の部分。つまり、優秀であり続けるためには、自分で自分にプレッシャーをかけないと生き残れない世界。

その過酷さについては、本の中で度々エピソードとして紹介されていますが、自分が一番印象に残った事例は下記。

” アーサー・アンダーセンは新卒を多く採用する会社だった。しかし、新卒だからゆっくり育てるということはない。2週間程度の研修が終われば徹底的にプロフェッショナルとして扱う。

アーサー・アンダーセンでは顧客に対する監査やコンサルティングを「アサインメント」と呼んだ。アサインメントに入る時点で、過去の資料はすべて読み込んであり、専門用語も理解できていて当たり前だと考えられている。

たとえあなたが就職や転職して初めて顧客のところに行く、つまり人生最初のアサインメントであっても、顧客の前ではまるで「僕はすべて理解しています、あなたがたのすべてを知っています」という顔をしなくてはならない。

私(著者)は、それを甘く見ていた。入社して初めての案件は外資系銀行会計監査案件だった。先輩に「読んでおけよ」と渡されたのは前年の資料と、監査マニュアル。

あまりに分厚くすべて英語で、まさか全ページ読む必要はないだろうと思い、きちんと読み込まなかったのだ。

そして仕事が始まると、耳を疑った。日本語で話しているのにもかかわらず、特有の専門用語が多くて内容がまったくわからないのだ。(中略)

まごまごしていると、上司やお客様にはあきらめた顔をされた。上司にはけちょんけちょんに叱られ、「もう帰っていい」と言われた。” (P24-25)

と、1年で国内最難関資格の公認会計士試験に合格してしまう力量の持ち主ながら、生半可な心掛けでは生き残れない熾烈さが感じられる事例の紹介が本の冒頭にあり、

読み物としての面白さはあるものの、我が身を重ね身を引き締められる部分も感じさせられます。

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成長できる人の資質

方や著者が事例から学ばれ、外資系企業の中で頭角を現していく術も生々しく複数綴られています。

印象に残ったところでは・・

1. ” すぐに成長する人は、何か大きなミスを犯したり、トラブルに巻き込まれたとき、「悩むより考える」タイプの人が多い。” (P39)

2. ” 仕事を始めるときには最初にボトルネックを把握しろ : ボトルネックとは、仕事の進行の妨げとなるもののことだ。事前にボトルネックになるものは把握し、しかるべき手を打っておくのが、すぐ成長する人には欠かせない姿勢である。(中略)

仕事自体はがんばっているのに何だかうまくいかない「残念な人」は、このボトルネックの把握ができていないことが多い。さる仕事やプロジェクトを担当するさい、何がボトルネックになるのか事前によく考えてみてほしい。” (P56)

3. ” あなたは、自分が日々使うお金を「投資」「コスト」「ロス」に分けて考えているだろうか。

「投資」はお金を使った影響がその時点で終わらないもの(中略)

「コスト」は、その場でしか効果が得られないもの(中略)

「ロス」は、お金や時間を費やしたのに、その場でも効果がないものを言う。” (P158)

等の共通した傾向にみられる指摘。

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在り様が正しければ、結果はついてくる

その他、様々、外資系に限らず、会社の中で結果を出すための心構え、スキルについて著者の経験に基づいた紹介がなされていますが

読まれた人それぞれにとって、目に留る記述が異なってくると思い、そこに成長のヒントが隠されているものと思います。

必ずしも本を読んで実践して即結果に反映されてくるものではないですが、

” あなたも、それがどんなことであれ、目の前にある仕事をきっちりまじめにやることは必ず将来プラスになるはずである。” (P168)

” 自分(著者)の例で恐縮だが、アーサー・アンダーセンに入社してから約10年で年収は約4倍になった。きちんとキャリアを積めば倍々ゲームなのである。何より本当にやりたい仕事ができるようになるのだ。

どうか心からの「やりたい」を積み重ねて、理想のキャリアを築いてほしい。” (P172)

と正しい心掛け、取り組みによって、得られる結果、評価が違ってくるとの著者からのメッセージもあり、特に組織の中で結果を求められている方々にとっては、ブレイクスルーのきっかけを掴める一冊となるかもしれません。

神田昌典さんが記す、自分の「才能」でまわりを豊かにする未来:『成功のための未来予報』1/2

 

『成功のための未来予報』を読了。

神田昌典さんが、2013年12月に栃木県立宇都宮白楊高等学校で「未来創造推進事業講演会」と題された講演が一冊の本にまとめられたもの。

7の未来予報:お金がなくなる〜 会社がなくなる〜 病気がなくなる〜 国境がなくなる〜 学校がなくなる〜 貧困がなくなる〜 制約がなくなる〜 に基づいた構成。

時代を読んで、創られるべき自分

今の時代が、「変化の激しい時代」として・・

” いま正解と思われていることは、未来ではまず正解ではないということです。” (P7)

” 30年前に、変人とか宇宙人とか呼ばれた人こそ、いま元気よく活躍できる世の中になってきている。” (P9)

神田さんが活躍しつづけるために、必要な力として学んだ事に・・

” 逸れても逸れても、転がりつづける力をもっているかどうかということです。” (P9)

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未来で活躍するためには・・

” 自分の人生を、他人の尺度に委ねるな ” (P12)

” 成功する人は、誰でも勉強熱心ですよ。・・中略・・ こういう人たちは、偏差値や学歴に自分の未来を委ねたのではなく、

自分にしかできないことを追い求め、まわりが彼らに未来を見いだすようになったのです。” (P12)

” 私たちは、自分が望めば、どこにでも行ける。選んだ未来へと、誰もが行けるようになっている。” (P13)

” 自分には才能があり、才能を使うことで、まわりを豊かにできることに気づかなければならない時代が、すでに訪れているからです。

だから、これからの時代で活躍するためには、自分の才能は何か?それを問いつづけ、それを差し出しつづけることが大切になります。” (76%)

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” 才能のない人は、いません。絶対に、いないのです。それを見いだすことをやめた人、もがきつづけ、転がりつづけることをやめた人がいるだけなのです。” (P76)

ビジネスの種は、楽しんでやっている事にあり

高校生(聴衆)に向けた将来のアドヴァイスとして・・

” いま学校で楽しみながらやっていることを、どうビジネスモデル化するか?そひて、どうマーケィングするか? ” (16%)

未来を見えるようにしていくためには・・

” 未来がどうなっていくのか、ふだんから考えているからです。” (P16)

人それぞれに、いま必要なのは、未来へのビジョンとして・・

” 未来に、自分が活躍できる場所を見つけたとき、一人ひとりの才能は、勝手にイキイキ輝きはじめる ” (P21)

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「お金」の実態、「会社」の実態

お金を稼ぐという事に関して・・

” みなさん一人ひとりの感謝を記録したメディアがお金なのです。 ・・中略・・ 感謝は、想像力です。 ・・中略・・

感謝というのは、想像力によって膨らむものです。” (P46)

つまり、この事は・・

” 想像力のない人は、もらった小遣いを「これっぽっち」と思います。想像力のある人は、「お父さんがすごい苦労して稼いできてくれたお金だ」と思って感謝できます。 ・・中略・・

自分に与えられているもの、届けられているものがあったときに、それをくれた人たち、ものたちに感謝するのは、その人たちの苦労や努力、犠牲を思えるからです。

想像力のある人ほど、感謝の気持ちが大きくなります。感謝は想像力によって膨らむわけです。

お金というものが、その感謝を記録した媒体であるとすれば、お金はイコール想像力だということをわかっていただけると思います” (P47)

お金のかわりに必要になってきたもの・・

” あなたを応援してくれる、有能な人とのネットワークのほうが貴重になっているのです。

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有能な人たちとつながることで、ビジネスは立ち上がりもすれば、成功もします。

有能な人たちとは、ビジネスモデル構築のしかたや、ネットでの広告の使い方を知っている人です。

商品をどう見せたらいいかを知っていて、その映像や写真を撮れる人、商品をわかりやすく説明できる人です。

事務所よりも、そうした人たちのとのネットワークが大事なのです。そういう人たちが大切にしているのは、同じ志があるかどうかです。

つまり同じ世界にワクワクできるかどうかです。しかも、異なるスキルをもつ人たちとつながれば、事業というのは立ち上がるものです。” (P70)

会社での在り様に関して・・

” 法律で定義されている雇用者とは、基本的に労働力を差し出すことで、お給料をもらえる存在なのですね。以前は、単純作業が収益を生みましたから、これでよかったんです。

けれでも、このようなコンセプトの会社は、もはや立ちゆかなくなります。

これから会社が高収益を上げていくためには、身体を差し出す単純作業じゃなく、知的、創造的な、頭脳を差し出す仕事をしなきゃならない ” (P54)

神田さんが提示してくれるワクワクする未来

長くなったので、今回はこの辺で。神田さんの知見、ネットワークから導かれた未来予測にワクワクさせられ、

自然と次のページ、次のページへと読み進められました。好奇心を刺激される一冊で、読者に希望を植え付けてくれるのは、やはり神田さんですね。

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榊原英資さんがデータを使って解き明かす燦々たる日本:『榊原英資の成熟戦略』読了

『榊原英資の成熟戦略』を読了。マスコミ等で、ミスター円の異名を取る元財務省の役人で、

書店で立ち読みした際の感じが良く、電子書籍(kindle)の値段が約26%の値引きで割安感を抱いての購入。

本を読み進んだ真ん中あたりの経済、金融の歴史に言及した部分は脱落しましたが、

データをもとに様々な著者の考えに触れる事が出来ました。

「成長国家」ではなく、視点を「成熟国家」に切り替える

「失われた20年」といった、日本経済に関する形容が聞かれますが、大前提として著者は・・

” 二〇年前から日本に訪れた変化を「停滞」ではなく「成熟」と捉えています。 ・・中略・・ 経済的にはまさに「安定」であったと言えるでしょう。” (5%/紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

この事は ⇒

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シックスサマナで学ぶアジアでスモールビジネスをする為の金科玉条

kindleストアで次に読む本を物色していて、見付けた SiX SAMANAなる情報誌。

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表紙に踊る「超激安!海外起業」の文字に惹かれて購入。

資本金10万円、月収600ドル稼いでストレスフリーな世界

読めば連載記事主体に、東南アジアに居住する猛者、トホホな話しが盛りだくさん(苦笑)

目当ての特集は、

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高城剛さんは説く、自分の可能性を、どんなに大変でも追求する事:『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』読了

 

高城剛さんの『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』を読了。

『白本』『黒本』と同様、Q&A主体の構成で、読みやすくサクサクといきました。

>> 高城剛さんが説く、1日10分自分と向き合う事の大切さ:『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』中間報告 <<

楽しむ事も、ピンチとの付き合い方も、基準が明確な高城流

後半も高城さん流儀らしい回答が並び・・ Q. 問題が起きたときに、どのように対応しますか?」との問いに

” 解決しようとは思わない。理解する、納得することが大事。” (68%)

Q. 失敗したときの対処方法は?

” 悪いことほど、早めにオープンする。失敗をごまかしたり隠したりすればするほど、経験上ですが物事は悪化します。” (68%)

Q. すべてをリセットしたいと思ったことはありませんか?

” リセットとは、なにも解決になっていない場から逃げているだけだと思います。日々、変化していくことがポイントだと思います。” (73%)

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Q. ピンチのとき、どうしますか?

” ピンチこそ、人生の醍醐味ではないでしょうか?そのピンチをどう捉えるかで人生変わってくると思います。

変に自分を守ったり、ピンチを脱しようとしないことが僕にとっては大事で、まずは自然に流れるように流れて、客観的にピンチを見ます。

その流れを感じ、できれば同化しながら機会を待つことでしょうか。実際、同化した時点でピンチではなくなります。焦ると、ピンチはより一層大変なものになります。” (73%)

” 困難は自分の中にある答を見つける機会に過ぎません。もし、その道を見つけられなければ、ひとりで旅に出なさい。解答は必ず見つかります。” (74%)

(Twitter、Facebook等の)SNSを距離を置いている理由については

” いまの僕は自分自身と向き合って、自分の中から涌き上がってくるものを大事にしたい。” (87%)

高城剛からのエール

本の締め括りの「あとがき」では・・

” 僕は、誰でもひとつだけ世界一になれる可能性を持っていると信じている。それを、自分で知っているか、知らないのか、が大きな違いだ。

僕もあなたも世界に一人しかいないし、僕もあなたも世界一になれる「なにか」を必ず持っている。だが、それを探し出す内面への旅は、とてもハードだ。” (92%)

” 他者との関係で、自分を作ってはならない。自分の可能性を、どんなに大変でも追求しなければいけない。なぜなら、すべての必要なことは、必ず自分の中にあるからだ。” (92%)

と、読者へのエールで結ばれています。

この本で、高城さんの本は立て続けに3冊読んだ事になりますが、著作の中から一番強力に伝わってきたメッセージは『黒本』に出てくる件(くだり)

” 日々の「寂しさ」や「虚しさ」を忘れるために、なにかに「依存」する「現代社会の罠」は、あらゆるところに潜んでいると思います。 ・・中略・・

日々社会が「愛」も「お金」も「友情」も「モノ」も「情報」も「つながり」も、「あなたは不足してますよ!」と訴える仕組みでできているからです。

ですので、真面目な人たちほど、「不足しているので補わなければ」と思います。

そして現在、多くの人は「自分は不足している」と感じている上に「もう補えない」と思っているので疲弊しているのです。

この仕組みから抜け出すには、まず「自分は不足してない」と本当に思えるかどうかだけだと思います。” (86%)

の部分。この事は、アンソニー・ロビンズをはじめ多くの人のメッセージと符合しますが

まずは「ない」ものではなく、「ある」もの、享受出来ている事柄に感謝し、そこに焦点を合わせる事。

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この事を礎に、高城さんらしく世界を駆け巡るも良し、自分の生き方を突き詰めるも良し、考え方さえしっかり出来ていれば、より深く高城さんの著作を理解出来るように実感しました。

 

高城剛さんが説く、1日10分自分と向き合う事の大切さ:『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』中間報告

 

3回振りの高城剛さんは、3冊目の購入(全て電子書籍)となった『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』から。

 

この1週間で4回目の取り上げで、

>>  高城剛さんのライフスタイルから導かれた答えに感じる生き方:『白本』その壱  <<

>>  高城剛さんのライフスタイルから導かれた答えに感じる生き方:『白本』その弐  <<

>>  高城剛さんがオブラート無しで語る日本の未来って?:『黒本』読了 <<

さながらプチ高城ブームかの如くですが・・『白本』『黒本』と同じく読者からのQ&A主体ながら切り口は高城さんの生い立ちに沿った目次立て。

本書の紹介として・・

” はじめての「高城剛」についての本である。” (1%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当。以下同様)

と。

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電子書籍の使い勝手も徐々に心得てきました

自分の現在地を知る事で、航路が開ける

冒頭の「まえがき」に、

” 自分の居場所も地図の見方もわからずに、行き先だけを設定して、さらに言えば、行き先に向かう「やる気」ばかり先行してしまうと、迷走することは必至だ。” (1%)

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とあり、ブレない生き方についての原則の提示があり、

” 周りの情報に左右されずに、いかにして、自分と徹底的に向き合うか?深く向き合えれば向き合えるほど、

目的地へと向かう人生の地図は、より明確なものになる。その時間を、毎日10分持っているかどうかが、とても大事だと思う。” (1%)

この部分は意識の向け方、習慣の大事さについて説かれています。それらが実践された暁には・・

” 人生はギャンブルというか、常に選択の連続だと思うが、どんなときも自己を見失わずに楽しく暮らしていれば、いつか必ず光は射すものだ。” (26%)

” 自然に生きることをただ学ぶ、というか思い出す必要性が出てくるでしょう。” (29%)

と、ここは高城さんの実証した人生観で一番の言いたい事であるものと。

もっとも高城さんの場合、

” 瞑想を毎日1、2時間している” (41%)

そうで、10分から始める事は大事と思いますが、混じり気無しの境地を目指すのなら、どこかの段階で正しい瞑想の仕方を学ばねばいけないところもあります。

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 つながるは外でなし、我となる

本書の特徴は、自分自身と向き合う事の大切さに力点が置かれていて

” できれば、皆さんもこの本と同じように、自問自答してみる機会があればいいと思います。「私の名前はXXXXX。職業XXXX。住所XXXXX。」など実際に書いてみるのです。

文章化することによって、自分と社会の隠された関係を発見し、あたらしい自分を見つけられる。自分の秘めた可能性も見つけられるかもしれない。” (24%)

” どんな問題も、解答は必ず自分の中にあります。どんな人でもその人の人生の主役は 「自分」だし、ブログやツイッターで、書く力は養われたはずですしね。

皆そろそろ、自分の中から知恵と勇気を見つけ出す本を書いてもいいのではないでしょうか。

人に嘘ついたり陥れたりしなければ、誰になんと言われようと、好きに生きればいいと思いますよ。” (24%)

” 頭で考えない。わかるまで待ちます。きっと答えは既にある、という前提で思い出すように待ちます。” (34%)

読者からの「自分のルーティンの中でもっとも大切にしていることはなんですか?」との問いに・・

” 自分と話すこと。例えば、人生の分岐点に立ったときに、情報を集めるのではなく、徹底的に自分と話すんです。・・中略・・

グーグルとか情報に頼りきっているけど、それは、二の次。あくまで直感の後に理屈を補強するための便宜的手段なんです。” (59%)

固定化された習慣に、風穴を通す

生きるコツについての享受もあり

” 多くの人が「現在」しか見ておらず、「未来」を見ません。このような発想が、もっとも人々に不安を生じさせます。” (27%)

” 失うことは、得ることへの第一歩だと思います。” (37%)

” ここでしかできない、これしかできないといった自己限定や恐れが、多くの人の人生を固定化し、つまらない日々を作り上げているのです。

自分自身の変わり方こそが、実は個人が持つ最大のクリエイティビティなのです。・・中略・・

誰もが自分が変わることをもっとも恐れているから。ただし期待を持って変わってはいけません。四季を持つ自然のように変わっていくのです。” (40%)

高城流アイデアの沸点

また、ご自身の生業であるクリエイターとしての一家言もあり

” アイデアと移動距離は比例します。日常から離れれば離れるだけ、俗と欲がなくなり、自身が活性化しアイデアが湧き出ます。・・中略・・

本当は持っている素晴らしいアイデアを邪魔しているのは、俗と欲なのです。そして、アイデア力が上がることは、実は自分のバージョンアップを意味するのです。

まずは、あたらしい視点が芽生えることから、はじまります。” (30%)

” 重要なインスピレーションは古いものを手放すことで得られます。だから、アイデアや新しいムーブメントとは、生み出すのではなく古いものを捨てることからはじまるのです。” (31%)

” 日々、どれくらい自分と向き合ったかが、アイデアそのものに出るのです。” (36%)

その壱:まず何より知るべきは自分自身なり

と、現在65%まで。高城さんの場合、意外にもFacebook、 Twitter等のSNSと距離を置いているそうですが、

過半を読んでの感想としては、安易に外側とつながろうとせず、しっかり自分自身とつながれと。

self-awareness

社会では、そこを履き違えている人が多く、一日10分であるか、1〜2時間確保出来るか、個人差のあるところですが、

自分を知る事で、心の声に耳を傾ける事で、本来、始まるべきものが始まるのだと。といった中間報告です。