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百田尚樹さんが爽やかに描いた少年たちが勇気を得たひと夏の物語:『夏の騎士』読了

百田尚樹さんの小説では引退作となる『夏の騎士』を読了.-

東野圭吾さんに宮部みゆきさんに、更には直木賞&芥川賞受賞作発表など

例がないほど話題作が書店の新刊コーナーに並ぶ中、

三省堂書店有楽町店で文芸部門1位(7/24撮影)

抜き出た売れ行きとなっているようで、百田尚樹さんご自身の並々ならぬ思い入れに自信などから楽しみにしていた新作。

百田尚樹版 スタンド・バイ・ミー

百田尚樹さんに寄せられる感想の中で、「(250ページ)一気に読んだ」との声が目立つところ

出典:百田尚樹さんTwitter(画像はアカウントにリンク)

私自身も、前日にさわりを読んだ翌日に移動時間を取れたことから一気にエンディングまで。

” ぼくは陽介と健太を前にしておごそかに言った。「三人で騎士団を作ろう」

・・中略・・

騎士団を作りたかった本当の理由は、そうすれば勇敢な男になれるかもしれないと思ったからだが、(以下省略)”(p10-11)

という、主人公が『アーサー王の物語』にヒントを得て結成した騎士団を軸に展開される小六の少年たちのひと夏の物語。

百田作品史上最高のマドンナが登場するとのことで「(それって)この人かぁ」と思っていたところ・・

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古舘伊知郎さんが紡ぎ出した会話で人の心に刺さる凝縮ワード:『言葉は凝縮するほど、強くなる』読了

古舘伊知郎さんの著書『言葉は凝縮するほど、強くなる』を読了。

<< 2019年7月22日投稿:画像は記事にリンク >> 古館伊知郎さんが熱く言葉に力を込めた夢を実現する方法:『言葉は凝縮するほど、強くなる 短く話せる人になる!凝縮ワード』刊行記念 講演&サイン会

先週参加した本書刊行記念 講演&サイン会で入手していたもの。

長話しが嫌われるご時世に、破壊力発揮する凝縮ワード

講演で出た話題と重複が散見され、復習的な意味合いも感じられましたが、

” 視聴者により分かりやすく、より面白く伝える言葉はないか、考え続けた40年超でした。

若かりし頃は、山手線に乗って何周もして、流れる風景を眺めながら脳内実況中継をしてトレーニングしました。

窓の外にある住宅街や新緑、道ゆく人などについてどんな言葉をチョイスしたら一番響くのか、伝わるのかいつも考えていました。

言葉を煮詰め続けた僕だからこそ、本書の「凝縮ワード」は、読者の会話の中でもすぐに使えるものになったのではないかと思います。”(p14-15)

と、「はじめに」で本のタイトルに掲げられた凝縮ワードについて説明があり、

本編では

 CHAPTER 01  ぐっと相手をひきつける

 CHAPTER 02  とっさに上手に切り返す

 CHAPTER 03  言いにくいことをスルッと伝える

 CHAPTER 04  会話が不思議と盛り上がる

 CHAPTER 05  気持ちにそっと寄り添う

と5章の中に、計22のケース別に適切な古舘流凝縮ワードが用例などを交え紹介されています。

ケーススタディから感じる凝縮ワード

例えば、

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竹田恒泰さんが思いを込めた日本人のための教科書:『国史教科書』(中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書 )読了

竹田恒泰さんの『国史教科書』こと『中学歴史  平成30年度 文部科学省検定不合格教科書』を読了。

発売当初、自費出版ということもあり早々に入手難となり、定価1,667円(税別)に対し売値数万とプレミアが付き、

紀伊國屋書店新宿本店の「新刊・話題の本」を占拠する本書

紀伊國屋書店新宿本店では1階の新刊コーナーで大々的に扱われるという注目度を集めた著書(教科書)。

読み始める前は「教科書一冊・・」ということで相応の読書時間を想定していましたが、

 第一章 神代・原始

 第二章 古代

 第三章 中世

 第四章 近世

 第五章 近代

 第六章 現代

という主だった構成で、それらが全222ページ(別途、検定審査不合格理由等)にまとめられており、

各時代区分がコンパクト(第一章で20ページ強)な分量で、読みやすく、読了まで時間をさほど要しませんでした。

建国に始まる日本史

本書で私が感じた特徴として、

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景山民夫さんが描いた少年と未知なる動物と過ごした掛け替えなき時間:『遠い海から来たCOO』読了

故 景山民夫さんの小説『遠い海から来たCOO』を読了。

先月(2019年6月)、景山民夫さんと高田文夫さんの『民生くんと文夫くん あのころ君はバカだった』

<< 2019年6月5日投稿:画像は記事にリンク >> 景山民夫さんと高田文夫さんが10分番組で斬りまくったあのころ:『民生くんと文夫くん あのころ君はバカだった』読了

を読んだ後、「景山民夫さんの作品を何か・・」となり、そういうことなら

「やっぱり直木賞受賞作で代表作であろう『遠い海から来たCOO』でしょう」となり、

本に書かれていたサイン

サイン(挿入)本を見つけ購入していた経緯。

突然の出逢い、そして・・

” それはやはり、どう見ても三年間のフィジー諸島暮らしの間に、洋助が見たことのない未知の動物だった。”(p31)

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猪瀬直樹さんが迫った太平洋戦争の深層:『昭和16年夏の敗戦』読了

作家 猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』を読了。

長く猪瀬直樹さんの代表作と承知していて、先々月(2019年5月)、青山ブックセンターを訪れた際、

購入本に書かれていたサイン

サイン本の販売を見つけ、購入していたもの。

総力戦研究所と太平洋戦争

本書は

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ノンフィクション好きながら、フィクション/小説に惹き込まれているこの頃

本をよく読む方の人間に分類され、自分でもその自覚はありますが、

その手の話題になった時、

「どんな本、読んでるの?」といった問いに

「もっぱらノンフィクションですねぇ」と幾度となく受け応えしてきたものの

先日、川村元気さんの『百花』読了後、

<< 2019年7月7日投稿:画像は記事にリンク >> 川村元気さんが描いた認知症を患い日々遠のいていく母の存在:『百花』読了

現時点、手元にある小説(フィクション)が6冊⬇︎。

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川村元気さんが描いた認知症を患い日々遠のいていく母の存在:『百花』読了

映画プロデューサー、小説家など、多方面で才能を発揮しヒットを飛ばされている川村元気さんの『百花』を読了。

NHKニュースウォッチ9」を視聴していた際、

出典:ニュースウォッチ9 Twitter(画像はアカウントにリンク)

本作について紹介があり、本の内容というよりは著者の川村元気さんに対して興味を抱き、

サイン本販売(2019年6月/写真右側)

直後、サイン本の販売を見つけて購入していた経緯。

認知症が書き換えてしまう現実

話しは母子家庭で生まれ育った主人公と母を中心に展開され、

日々だんだんと噛み合わなくなる会話に、予想だにしなかった行動に・・

“「こちらに来られる前の物忘れの状態などと併せて診ますと、認知症がある程度進んでいると考えられます」”(p97)

認知症が発覚し、直視せざる得ない現実の数々。

購入本に書かれていたサイン

否が応でも経過していく日常の中の

” 母の本は、一冊も捨てることが出来なかった。百合子(註:主人公の伴侶)がミステリー小説やガイドブックをふたたび読む日がくるとは思えなかったが、今捨ててしまうともっと遠くに行ってしまう気がした。”(p173)

といった描写から、徐々に母の存在が遠のいていってしまう切ないストーリー。

今、世に多く起こっているであろう・・

親の介護で職場を離れざるを得ない人が年間10万人とか、実際、介護で時短勤務を強いられている人の現状を目の当たりにしていて、

自分自身を切り離して考えられない現実性に、「老い」ということに関して299ページに及んで向き合わされた世界に

母子関係を軸に「う〜ん、、」とさまざま湧き上がってくる感情を自覚させられました。

上念司さんが紐解くお金を斬り口にした日本史:『経済で読み解く日本史(室町・戦国時代)』読了

経済評論家 上念司さんの五巻シリーズ『経済で読み解く日本史(安土桃山時代)』を読了。

前々日に中間記⬇︎

<< 2019年7月12日投稿:画像は記事にリンク >> 上念司さんが紐解くお金を斬り口にした日本史:『経済で読み解く日本史(室町・戦国時代)』中間記

をアップロードしてから読み進めたのは

第二部 豊臣秀吉の国内政策

 第4章 国際情勢を理解していた秀吉の改革

 第5章 牙を抜かれた寺社勢力

第三部 豊臣秀吉の対外政策

 第6章 キリスト教団の脅威

 第7章  「朝鮮出兵」失敗の本質

と、主に豊臣秀吉が織田信長から時代を受け継いだところ。

豊臣秀吉の決断

印象に残ったのは、本シリーズ刊行記念トーク&サイン会↙️で、

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