上念司さんが紐解くお金を斬り口にした日本史:『経済で読み解く日本史(室町・戦国時代)』読了

経済評論家 上念司さんの五巻シリーズ『経済で読み解く日本史(安土桃山時代)』を読了。

前々日に中間記⬇︎

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をアップロードしてから読み進めたのは

第二部 豊臣秀吉の国内政策

 第4章 国際情勢を理解していた秀吉の改革

 第5章 牙を抜かれた寺社勢力

第三部 豊臣秀吉の対外政策

 第6章 キリスト教団の脅威

 第7章  「朝鮮出兵」失敗の本質

と、主に豊臣秀吉が織田信長から時代を受け継いだところ。

豊臣秀吉の決断

印象に残ったのは、本シリーズ刊行記念トーク&サイン会↙️で、

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歴史の学び方に関して

“「何でこうならなかったんだろう?」と考えながら進め、死ぬほど悔しがって、悔しい気持ちを未来に活かすことが 大事。”

とレクチャーがあり、豊臣秀吉に関して

” 秀吉の最大のミスは、天下統一の成功モデルをそのまま海外にまで延長しようとしたことです。

「朝鮮出兵」さえやらなければ、豊臣政権の天下は揺るぎませんでした。

それをわざわざ全国の大名の恨みを買いつつ、後継者まで殺害して続けなければいけなかった理由は何だったのでしょう。

そこまで明朝は悪逆非道だったのでしょうか?”(p266)

といった部分などに上念司さんの思いが滲み出ているように感じられたところ。

所与の条件の中で(豊臣秀吉が下した決断に)致し方ない面は上念司さんも認められているものの、

「こうしておけば・・」の言及された部分は一番読み応えがあった箇所でした。

7月「虎ノ門ニュース」後にサインを頂戴しに行った際の一葉

寺社勢力、そしてキリスト教

また、最後の「結びに代えて 〜過去の失敗に学び、未来を生かす経済学的思考 〜」

” 歴史に経済のモノサシを当ててみると、見えなかったことが見えてくる。今回もそういう意味で、これまで見えていなかった日本の歴史がたくさん見えてきました。

「キリシタン大名が大規模な神社仏閣の破壊をしていたこと」「イエズス会が日本を武力で侵略することを当初から計画していたこと」「日本産の銀がこれほどまで世界経済を変えたこと」「全国各地で勝手な貨幣制度が行われていたこと」などなど、出るわ、出るわ。”(p265)

の部分も、(「結びに代えて」前の)本文の記載で驚かされた内容で、

とかくこの時代は寺社勢力を含め、宗教が暴走、翻弄された時代であった感を強く抱くことに。

移ろえども変わらぬこと。されど歴史は・・

と、ここでシリーズ全巻、ひと通り読み終えたことに。主に移動時間に読み進めていたことから

歩留まりということでは、抜けも多く粗くなっている自覚は十分ながら、時代は変われでも経済の掟は変わることなく、

また、シリーズで繰り返し出てくる

“「人々は経済的に困窮すると、ヤケを起こして普段は見向きもされない過激思想に救済を求める」”(p6/『経済で読み解く日本史(大正・昭和時代)』)

に具体的状況の記述から納得させられ、計1,317ページ読み通した意義は十分感じられています。

機を見て再読もすべき内容と考えますが、(電子書籍)Kindle版も発売され、そちらでの売れ行き好調とのことで、

一つの端末にシリーズが一挙収納出来てしまうのはとても魅力的ですね ^^


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