川上昌直さんから学ぶビジネスモデルの作り方:『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』読了

 

『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』を読了。

前回は60%弱読んだ時点での中間記でしたが、

>> 川上昌直さんがビジネスを俯瞰させてくれる「9つの質問」とは:『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』中間記 <<

後半40%強は、特に前半に提示されたフレームワーク(「9つの質問」)が細部に落とし込まれた内容。

 

フレームワークへの落とし込み方

「利益」の項目では・・

” すべての商品から儲けようと考えていると、ビジネスはうまくいきません。

ほとんどのスタートアップ企業や、新規ビジネスでは、「損して得とる」という方法がとられます。

最も目を引く商品を極限まで安くしたり、無料にするビジネスモデルすらあります。

儲ける仕組みを考える会社は、それらを組み合わせて、分散させた利益を合計することで、最終的な利益を生んでいるのです。” (58%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

profit

 

フレームワークへの落とし込み方

「プロセス」の項目では・・

” 自社が最も重視する活動は何か、外部のパートナーに任せられない仕事は何か、自社でやる活動の選択基準をどう考えるのか。

この点を考えるにあたっては、そうした活動の裏づけとなるリソース(経営資源)を明確にする必要があります。 ・・中略・・

自己分析と同じで、「強み」と「弱み」の分析から始まります。 ・・中略・・

自社の強みと弱みを分析するのは、なかなか難しいものです。「強みは何か?」と自社に問いかけても、客観的には判断しにくいものだからです。

そこでバーニー教授が示した客観的な判断基準であるVRIO分析を紹介しましょう。

これを応用すれば、明確な強みと弱みの判断方法を手に入れることができます。

V・R・I そして O のそれぞれは、競争優位の源泉となる経営資源の特徴の頭文字です。

◎企業がもっているリソースや能力は、価値(Value)をもっていて、

◎その資源が稀少(Rarity)であり、

◎さらに模倣困難(Inimitability)で、

◎なおかつ経営者あるいは組織がそれをうまく使えている(Organization)とき、

そのリソースや能力や持続的競争優位をもたらします。” (75%)

といった具合。

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ビジネスモデルの作り方

最後に本の総括がきて、要点が並べられ

” まず、最初にやることは、顧客の価値提案について、その内容を決めること” (84%)

” 次に、存続条件である利益についてです。どうやって利益を得るのかという設計が必要です。誰を主な支払者とし、何から課金するのか。

さらに「同時」なのか「時間差」なのか、という時間軸も決めます。加えてこれを顧客価値と結びつけることで、より大きな展開に結びつけられるようにします。” (84%)

” そして、それらを実現するためのプロセスの構築です。これは、顧客への価値提案とリンクさせるのが望ましいので、顧客の活動チェーンに沿って構築していきます。

このとき、何が強みとして機能するのか、あるいはさせるのか、そして誰とパートナー関係を結ぶのかを決めなければなりません。

それらの意思決定の集大成として、新たなビジネスモデルが完成します。 ・・中略・・

ビジネスは「顧客価値の創造」と「利益の創出」を同時に実現するのものです。” (85%)

ここで大事な事は

” ビジネスモデルの構成要素の中で足りないものがわかったとしても、それを付け加えるだけではだめです。

ほかの構成要素と整合性がとれていなければなりません。

整合性をとるためには、まず顧客価値を提案し、そこから利益設計をし、最終的にプロセスを構築するという基本的なステップを踏むことが重要です。

そして何かひとつでも構成要素を変更したら、もう一度すべての構成要素を見直します。” (85%)

特に!

” 根底にあるのは顧客価値提案。それをつくり込む作業に多くの時間を割く必要があります。” (86%)

” すべては顧客価値提案から始まります。それは鉄則です。 ・・中略・・

世の中の不足を解決するというスタンスなら、あとは受け入れられやすい提案であればよいのです。” (97%)

Customer-Value-Proposition

 

フレームワークから理解を深めるビジネス

ビジネス、経営を包括的、俯瞰的立場でみられるように視野であったり、

ときにマインド面の気をつけどころであったり、それらが実例を踏まえて、分かりやすい言葉で綴られた一冊です。

 


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