鳥内浩一さんが体系化した時代の要請に応える経営のフレームワーク「十方良し」の経営学

 

夏以来で、鳥内浩一さんのウェビナーを受講。

新資本主義経営
同じ内容は夏にも受講していますが、2015年のトレンドを読み込み、より深化した形で学べました

前回の模様 >> 渋沢栄一が説いた「信」、鳥内浩一さんが説く「八つの徳目」に見出す未来 <<

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15:00〜17:30、19:00〜21:30の2回開催。内容への興味から両回受講しましたが、何れも約1時間の延長。その重厚感から2回目終了の22:30頃には、すっかりノックアウトされていました(笑)

鳥内さんは、現在、受講中の池間哲郎さんの『日本塾』を運営されているリアルインサイトの代表ですが

もともと私が鳥内さんを知ったのは、全米No.1マーケッターであるジェイ・エイブラハム『マーケティング・マインドマスター・プログラム』のファシリテイターを務められておられての事。

今回は、鳥内さんが2015年から新たなプログラムを展開される事から開催されたものですが、

鳥内さんが提唱される『日本発 新資本主義経営』について、今一度、学ぶ機会(無料)に。

グローバル、資本主義、経営が立つ岐路

まず、2015年の重要性から始まり、世の中で起こっている事、問題の背景が解き明かされるところから。

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2015年が持つ歴史的重要性・・

世界各所(ウクライナ、台湾、香港 etc)で、自分たちの民族を守る独立の動きが起きているのは

世の流れがグローバリズムからローカリズムにシフトしている事の証左。

新資本主義経営が問われる事になったのは、財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)が重視される西洋型資本主義が限界に達し

自分たちだけでなく、顧客を守る経営姿勢が問われての事。

新資本主義経営は、渋沢栄一が世界で誰よりも早く、経営の本質が責任である事を見抜いていた史実や

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かのピーター・ドラッガーの研究対象にもなった渋沢栄一

鳥内さんが渋沢栄一の哲学や聖徳太子が冠位十二階で提示した六つの徳目に、武士道で掲げられた二つの徳目を加え、「十方よし」の経営学 として体系化したもの。

その徳目は・・

徳:「所有」ではなく「共有」の経営理念

仁:人をモノとしてでなく人としてみる(愛)

智:知識ではなく創造力を発揮する

礼:イノベーションとおもてなし(気品と気配り)

義:渋沢栄一が見抜いた経営の本質

勇:正しいことを貫く勇気、捨てる勇気

誠:「武士に二言はない」ということの意味

信:究極の信頼を生み出すものは?

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また、コンセプトの柱には「和魂洋才」の思想があり、具体的には下記の項目が軸となる。

1つ目のM:マインドセット

2つ目のM:マーケティング

3つ目のM:マネジメント

目標は単に「How」を学べば達成されるものではなく「何の為に、なぜそれをやるのか?」が明確になっている事が、最も重要。

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この視座、以前取り上げたサイモン・シネックの「Whyから始めよ!」と共通するメッセージですね。

>> サイモン・シネックがリーダーの本質を説き明かすゴールデン・サークルって?:『WHYから始めよ!』中間記 <<

>> サイモン・シネックが説き明かす「WHY」から始まる世界:『WHYから始めよ!』読了 <<

ビジネスは、己の心の真実を世に問う行為

話しを本ウェビナーに戻し・・ 売上、利益では動機足り得ず、自分の原体験に基づいた夢のあるワクワクする楽しいヴィジョンでないと、

批判等に乗り越えて、志を実現する事が難しくなってしまう。

鳥内さん曰く、ビジネスとは己の心の中にある真実を世に問う行為だとして、

志がホンモノであるか否か、天から、世界から、様々試される事になる。

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『「十方よし」の経営学』の概念図

「未来から必要とされる」との視点

ウェビナーでは予め寄せられた経営に関する疑問をもとにコンサルティングが行われ、

その中で既述の考え方が落とし込まれていくプレセスを目の当たりにする事が出来ましたが、印象的であったのは

「企業は未来から必要されなくなると、永続出来なくなってしまう。」という事。

これを裏返すと「如何に未来から必要とされるビジネスを描けるか」という事。

自分たちではなく、今、地球資源を共有させて貰っている我々、過去から繋がれた命を使って、後世のために如何により良い社会を残せるのか。

経営の本質的要素が西洋ではなく、渋沢栄一をはじめとする日本的思想の中にあった事を学ぶ意義深き一日となりました。

 


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