「business」カテゴリーアーカイブ

ジェイ・エイブラハムが提唱するジョイント・ベンチャーの使い方を学んだMBT交流会参加記

 

このところは出るセミナーも、読んでいる本も日本のマーケティング第一人者の神田昌典さんづいてましたが

今週は全米No.1マーケィングコンサルタントのジェイ・エイブラハムのマンスリー・プログラムを受講している人たち向けの

マーケティング・ビジネス・ブレイクスルー(MBT)交流会に参加。 続きを読む ジェイ・エイブラハムが提唱するジョイント・ベンチャーの使い方を学んだMBT交流会参加記

神田昌典さんの頭の中、その発想法を学べる『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』読了

 

神田昌典さんの代表作の1つ『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』を読了。

60mins

>> 神田昌典さんの頭の中、その発想法を学べる『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』読み始め <<

印象的であった、神田さんらしい希望を内包した発信が「あとがき」にあり

(本著で取り上げられている)”この戦略構築法は、あなたがビジネスにロマンを見出すことをお手伝いする本である。 ・・中略・・

ビジネスは、単なる金儲けの手段ではない。この現代で、社会を変革する最強のツール。それがビジネスなのである。” (97%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

” 歯車を噛み合わせれば、誰でも売れる仕組みはつくれる。それは難しい作業ではない。 ・・中略・・

いまの社会は、確固たる倫理観と思想を持ってビジネスに取り組む人を大量に必要としている。それだけ社会の変革が急がれている。” (97%)

” あなたにしか、できないことがある。だから、あなたはこの時代に生まれてきた。” (97%)

と、本書の目的及び読者への熱きメッセージ。また、終盤にも・・

” あなたは、何のためにビジネスをしているのか?儲けのためか?奉仕なのか?自分のエゴのためか?

それとも人々の約に立ちたいからなのか?顧客の笑顔が見たいためか?それとも世の中を見返してやるためか?

常に自分自身の心の光と闇を見直し、哲学を持ってビジネスに臨むことが、知識という力を持ったものの最低限の義務であることを肝に命じていただきたい。” (88%)

この事を意識して、本を読み進める際の理解を助けてくれます。以下、本のポイントとして感じられた点。

 

普通の人でも、商材の参入タイミングさえ見極められていれば軌道に乗る

” 経営者の優秀さと、ビジネスの成功は一致しない ・・中略・・ 事業への参入タイミングが、ビジネスの成功の鍵を握っているということだ。” (19%)

 ” ある商品を扱おうと思った場合、参入タイミングを予想するには、まずその商品が商品ライフサイクル上、現在どの地点にあるのかを知らなければならない。” (21%)

” 全体事業のうち、約八〇〜八五%の売上はライフサイクルの成長期でつくられることになる。したがって残りの七・五%〜一〇%ずつが、導入期と成熟期でつくられる。” (29%)

market-stages-thumb
Product Lifecycle

” 上がりのエスカレーターに乗る人は、顧客が商品を求めて、向こうから来る。あまり努力をしないでも顧客数が増え、またリピート購買も多い。

逆に、下りのエスカレーターに乗る人は、こちらから売り込みに行く。” (30%)

” 商品選択を的確に行なうことができれば、もっと楽に、楽しく、確実に商売ができるのである。” (30%)

” 商売が売れない原因のナンバーワンは、商品がわからないからである。 ・・商品・・

顧客に買ってもらうための一番目の作業は、小学生でもわかるように商品が説明されているか、という観点から見直すことである。それで八割方の商売は売上が上がる。” (32%)

例えば業態の流れを参考にすると・・

” 百貨店方式のライフサイクルが一巡すると、今度は、より安いものを求めるディスカウントに走る。これがダイエー、イトーヨードー堂等のスーパーが伸びた理由だ。

このSカーブが終焉すると、次は、より購買目的に沿った店を選択する。すなわち専門店がはやってくるのである。これがマツモトキヨシ、ユニクロという流れ。

その後は、単なる商品を買うのは限界に達して、エクスペリエンシャル・マーケティングといわれる体験型の店舗になる。これがヴィーナスフォートや、エクスピアリと呼ばれるようなエンターテインメントとの融合型店舗である。” (26%)

 

非営利組織(NPO)の時代

近代が脈打つ事として・・

” ピーター・ドラッカーは、著書『ネクスト・ソサエティ』のなかで、NPO(非営利組織)は、今後、大きく成長し、企業に代わるコミュニティの担い手になると言っている。 ・・中略・・

社会的ミッションを掲げることは、企業メッセージが第三者に伝わりやすく、しかも記憶に粘りやすいメリットがある。” (27%)

顧客は選び、切り捨てなければならない

顧客との関係性について・・

 ” 顧客ターゲットを明確に設定しなければ、顧客と感情的なつながりを持てない。” (39%)

” あなたのまわりに、必要なものはすべて転がっている。そのよい点を見つけて、磨いてあげる。それが一番手っ取り早く、憧れられる人を顧客にする秘訣だ。” (46%)

” 誰からも好かれる。しかし誰も魅了できない。顧客を魅了できる会社になるためには、自分に必要のない顧客を捨てることから始めなければならないのである。” (48%)

seth-godin-marketing-500

 

ダイレクトマーケティングにおける戦略

戦略について・・

” 本質的に、戦略というのは他社と差別化することである。 ・・中略・・ 企業にとっては差別化が善であり、均質下は悪である。” (47%)

” 最強の競合戦略とは、戦わないことである。” (50%)

” 戦略とは自社の強みをさらに伸ばし、そして事業環境の変化の流れに乗ることである。” (60%)

” 価格は安ければ安いほどいいと思われがちであるが、それ以上に競争優位性につながるのは、価格に関する顧客へのコミュ二ケーション力である。” (60%)

” いまは幸せ状態の顧客に差し迫った必要性を感じさせて行動させることが、あなたができることの価値となる。” (81%)

mvd-istock-29990298-strategy1

 

ビジネスの仕組みを築くうえで、ほとんどの人が知らない衝撃的な二つの事実・・

” 1.  頻繁なリピート購買が期待される商品の場合、粗利益は七〜八割以上(仕入れが七〜八掛けということではない、粗利が七〜八割!)なければならない”

2.  頻繁なリピート購買が期待されない商品の場合、初回購入の粗利額は一〇万円以上なければならない ” (63%)

350ページ超を経ての学び(まとめ)

これらは、神田さん専門のダイレクトマーケティングの手法によるものですが

” ダイレクトマーケティングは、ある意味で数字のゲーム。きわめてシステマチックな販売方法であり、この数字のゲームがわかれば、非常に速いスピードで成長することが可能である。” (71%)

売りたいもの、提供したいもの、商材の選択はその人自身のストーリー、思い入れなどによって異なってきますが

それが、売上の80〜85%を生み出す「成長期」にありさえすれば、やるべき事、走るべきレールが決まっている事。

そこに時代の要請として、NPOという斬り口、最も今風に表現すると社会起業家ですかね。

本著を読んで、実感した事。自分の文脈に沿って売るべきものを見付け、ダイレクトマーケティングの手法に則ってプロセスを消化していけば

起業後、約1年でその90%が終焉を迎えるという実情の10%の側に、すべからく行けるという事。

 

勝間和代さんに習った「利益の方程式」その4つのポイント:神田昌典ビジネスプロトタイピング講座 その四

 

2週間振りに表参道まで出掛けて、神田昌典さんのビジネスプロトタイピング講座に出席。

>>  藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱  <<

>>  近藤太香巳さんが教えてくれた今、小さな事で活躍している事の大切さ:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その弐  <<

>>  神田昌典さんが教えてくれた「起業の本質」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その参  <<

IMG_6019
講義開始20分前くらいの様子。手前はUsteram配信用のカメラ

続きを読む 勝間和代さんに習った「利益の方程式」その4つのポイント:神田昌典ビジネスプロトタイピング講座 その四

神田昌典さんの頭の中、その発想法を学べる『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』読み始め

 

神田昌典さんの『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』を読み始め。

kanda-60mins
kindle版をダウンロード。実に350ページ超のボリューム

購読のきっかけは、現在、受講中の「ビジネスプロトタイピング講座」で、しばし、本著の紹介があったため。

>>  藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱  <<

>> 近藤太香巳さんが教えてくれた今、小さな事で活躍している事の大切さ:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その弐  <<

>> 神田昌典さんが教えてくれた「起業の本質」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その参神田さんの頭の中、思考法について紹介された内容  <<

内容の方は端的に言うと、神田さんの頭の中、神田昌典式発想法の紹介と活用法。

掛け算されるべき「経営」と「戦略」

” 戦略が間違っていれば、忙しくて儲からない会社になる。給料が少ないから、社員も幸せになれない。もちろん社員の家族も幸せになれない。仕事は面白いかもしれない。ところが仕事中毒になって、仕事のほかには人生がない。これが戦略のない会社の実態である。

戦略のある会社は楽して儲かる。中途半端な儲かり方ではない。勝ち組と負け組の二極化が進むなか、圧倒的にも儲かるのである。” (8%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

“戦後の実態を見ると、儲かっていた会社は、大部分が土地や株のキャピタルゲインで財を築いてきただけで、実業からはほとんど利益が出ていない。

実業から利益が得られるのは、戦略を学んだ人だけだという。” (9%)

Business-Strategy

戦略、その絶大なる・・

そこで、戦略のある会社とは・・

” 自社が強い分野を慎重に選択し、その分野に集中してリソース(経営資源)を投入していくのが、戦略のある企業である。” (10%)

戦略とは・・

・何(どの商品)を使って、誰(顧客ターゲット)に対して戦いを挑むのか?

・戦いを挑むには、どのような陣形(流通方法、営業方法)をとるのか?

・どこから切れ込んで、次にどこへ行くのか?(集客商品と、リピート商品)

・いつ戦いを仕掛けて、いつ戦いから離れるのか?(参入・撤退タイミング)(10%)

戦略をもとに戦術が駆使され・・

 ” 営業トーク、販促プロモーション、広告宣伝、それに使われるチラシ、DM等のツールである。つまり戦争における弓矢や鉄砲等の武器のことだ。” (10%)

戦術は修練されると・・

” 一時的に強い会社となる。例えば、広告で「ビジネスクラス40%OFF」という見出しと、「まだ高い航空券にガマンしますか?」という見出しの売上を比べると、

後者の見出しのほうが圧倒的に反応が高くなる。” (11%)

それでは、戦略の定義は・・

” 元マイクロソフト日本代表の成毛眞氏にインタヴューしたとき、彼は次のように言った。

「経営に目標を持つのは百害あって一利なしである。経営計画の数字を達成出来ないというのは、

単に予測力がないからであって、すでに経営者失格である」

経営コンサルタントの大前研一氏も、著書『企業参謀』(プレジデント社)のなかで、次のように言っている。

「成功した経営者の話を聞いていると、いつも驚かされるのは、その意思決定がいかに予言的であるか、という点である」(同書、三三八ページ)

このように優れた経営者を並の経営者から引き離す、最も本質的な能力は何かといえば、予測力・予見力なのである。” (11%)

神田さんは戦略家一人の登場によって、市場は激変するといい・・

” デジタルカメラの市場は、デジタルカメラ製造メーカー同士が競合していたら、いつの間にか、

最強のライバルはデジタルカメラ付携帯電話となっていた。このように戦略的企業は、オセロゲームで一気に色が変わるように、見える景色をまったく違うものにする。” (12%)

strategist

それでは、戦略を導く発想を得るためには・・

” 優れた発想は、一瞬にして得られるのだ。業界を大きく変えるような発想でされ、一瞬のうちにひらめく。”  (12%)

” 実は、発想を短時間で効率的に行なっていくためには方法がある。しかし、多くの会社はその方法をまったく知らないので、せっかくの発想の芽を摘んでしまっている。

それは、どのような方法なのか?その方法が機能するためには、次の三つの条件が必要だ。

・戦略構築に必要な情報を抽出するための効果的な質問をすること(質問と回答は鏡に映った像のようなもので、具体的な質問ををすれば、具体的な回答が得られ、抽象的な質問をすると、抽象的な答えしか帰ってこない / 13%)

・革新的なアイディアを得るために、一時的に混乱状態をつくり出すこと(圧倒的な結果を得るためには、圧倒的な発想、すなわち常識的な枠を超えた発想をする必要があり、そのためには、いままでの思考パターンをいったん崩す必要がある /14%)

・ワクワクしながら自ら進んで実行していくために、アイディアに対してオーナーシップを感じられるようにすること(人間は、自分で考えたこと、自分で決定したことをリスクなしで試してみるのは大好きである。/ 14%) ”  (12%)

” 優れた戦略ができたかどうかは、すぐにわかる。そのアイディアが得られた瞬間、ワクワクする。” (14%)

「スター戦略構築法」って、どのような?

本書では上記の思考法をプロセスを「スター戦略構築法」と命名し、実例として・・

” 【戦略発想の前の課題】

エジプトから輸入したビールを、お金をかけずに、バドワイザーと同じくらい売りたい。ただし、エジプト人はイスラム教徒なので、そのビールを飲まない。”  (16%)

という難解と思わしき問いに対して、20分で下記の回答が得られたそうな・・

” ビールを売るという発想ではなくて、エジプトのピラミッドを救済する運動を起こす。その象徴としてこのビールを使い、

売上の数%をエジプトのピラミッドやスフィンクスの顔の補修に使う。

エジプト大使館の後援を受け、著名な考古学者にも趣旨に賛同していただき協力してもらう。

また愛飲者のうち、毎年何人かをエジプト旅行に招待することで、旅行会社とタイアップ。

実際の販売店開拓はDMで、お試しビールセットを割安で販売するという方法で行なっていく。” (16%)

と、正に本のイントロ部分で紹介されている通りの

「常識的な枠を超えた発想から→ワクワクする心情に至るプロセス」

を垣間見る事が出来ます。

電子版をDL(ダウンロード)したため、厚さについて把握していませんでしたが

amazonで確認したところ・・ 実に354ページ。神田さん式発想法の学び、楽しみです。

 

今枝昌宏さんがビジネスモデルを網羅的に紹介してくれる1冊:『ビジネスモデルの教科書』読了

『ビジネスモデルの教科書』を読了。

>>  今枝昌宏さんがビジネスモデルを網羅的に紹介してくれる1冊:『ビジネスモデルの教科書』中間記  <<

代表的なビジネスモデルだけでも31に及ぶ

後半の目次立ては・・

#15 敵の収益源の破壊

#16  チャネル関係性の利用

#17  ダイレクト

#18    サプライチェーン種別の変更

#19 機能外販

#20 リソース先制

#21 マクドナルド化

#22 提携先のレバレッジ

#23 強者連合

#24 資源再配分の加速

#25 同業との統合

#26 周辺産業との統合

#27 ブランド買収・再生

#28 川下への進出

#29 川上統合によるブラックボックス化

#30 中立性・専属性のマネジメント

#31 レバレッジバイアウト

最後の「レバレッジバイアウト」は、世間を賑わせたライブドアがニッポン放送に仕掛けようとした買収劇に登場したオプションで

「あれかー」って感じ、こういう事案になると本を読む感じが前のめりになりますね。

因みに、ソフトバンクがボーダフォンを買収した時に使われた手法で、機能した好例として紹介されています。

business-plan

マクドナルド化、って何だろ?

面白かったのは、やはり身近のところからの引用で「マクドナルド化」(69% : 百分率は紙の本で言うところのページ数に相当/以下同様)。

マクドナルドの他、天丼てんや、ブックオフ、ガリバーインターナショナルで用いられており、定義は・・

” 提供価値をプロセス化あるいは機械化し、リソース単価を切り下げて低価格化することで下層の市場を狙う” (69%)

説明で・・

” マクドナル化とは、主にサービス業において提供価値の種類の絞り込み、均質化した上で価値提供プロセスをマニュアルなどによって定義し、

価値提供過程にプロフェッショナルを不用とすることによって要因単価を下げ、かつ提供価値のバラつきをなくして、従来のプロフェッショナルによるのと同等なサービスを安価かつ大量に販売して利益を上げるビジネスモデルです。”

浸透している業界は、様々な飲食業態のほか、航空旅客運送におけるLCC(ローコストキャリア)や中古車買取サービスなど。

市場戦略は・・

” マクドナルド化によるコストダウンにより、サービスを安価で販売できるようになり、通常利益率も抑えて販売するため低価格の販売となります。

マクドナルド化では、いままでプロフェッショナルを用いて行なっていた事業の市場の下側の潜在市場を狙うことになりますが、

通常、市場は下方に向かって加速度的に大きくなっているため、低価格化により大きな販売量を見込めます。

このため、低粗利でも売上が大きくなるので、最終的には大きな利益を上げることが可能なのです。

中間層の崩壊により顧客の二層化が進む今後は、これは特に注目すべき市場の特徴と言えます。” (70%)

” マクドナルドやワタミなどサービス業として大企業となり得ているのは、、利益率が低くてもマクドナルド化により下側の大きな市場を狙った企業であることに注意していただきたいと思います。” (72%)

一時、隆盛を極めた感のマクドナルドも昨今は苦境に長く直面して抜け出せないので、舞台裏を知って、如何に脱却を図っていくのか、本書の他の項目を参照するなど応用的な読み方も出来ますね。

direction_innovation

 

ビジネスモデルの切り口

以上のような記載が、戦略毎に

■概要と例

■価値創造過程

■なぜ優位性を維持出来るのか?

■有効に機能する条件

■落とし穴

■類似のビジネスモデル

■このビジネスモデルから学ぶ戦略思考

と、多面的に解説されています。

約600ページに及び読み応えで、最後、ビジネスモデルについて網羅した感覚を抱きますが、巻末にある「おわりに」では・・

” 本書では代表的な成功パターンをご紹介してきたつもりですが、「他にもこんなパターンがある」「こんな面白いビジネスモデルがある」という情報がありましたら、是非筆者にご連絡ください。” (98%)

とあり(笑)その奥深さ、時間の経過と共にモデルが進化している側面もあると思いますが、あくまでも本書は入り口に過ぎないと。

本のタイトルにもあるように、ビジネスモデルの教科書としての使い方が出来るのと、

何となく頭で分かっている事を、その背景にまで踏み込んで言語化してスッキリさせてくれる、

この二つの大きな役割に、本書の価値を感じました。

今枝昌宏さんがビジネスモデルを網羅的に紹介してくれる1冊:『ビジネスモデルの教科書』中間記

『ビジネスモデルの教科書』を読み始めて、半分くらいのところまできたので、中途での振り返り。

『ビジネスの教科書』の目的

冒頭「はじめに」に、本書の目的との記載があり

” 読者に経営戦略を策定する能力を策定する能力やセンスを高めていただくことにあります。”

” 「誰に」「何を」売るのかという顧客と提供価値の選択だけでなく、戦略を支える経営資源や使い方などの仕組みを包括した「ビジネスモデル」に注目します。

というのも、強い戦略があればビジネスで成功するというわけではないからです。その戦略を支える仕組みも含めて事業体として強いビジネスが成功するのであり、

ビジネスモデルが理解出来ていないと、競合の狙いや強みも理解できないからです。” (1%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

以前、戦略に関する本(『「戦略」大全』)を読み

>> マックス・マキューンが『戦略大全』が誘(いざな)う、人生に戦略を <<

>> マックス・マキューンが放つ「戦略」の世界は 24の戦略原則 に 28の戦略ツールキット:『「戦略」大全』読了 <<

戦略が網羅された感の内容に読み応えを感じましたが、

本書で感じた事も世の中にどのようなビジネスモデルが存在して、どの企業で、どのような意図で採用されたが明瞭である事。

「ビジネスモデル」って、いくつある?

今まで読んだところの「ビジネスモデル」は・・

#01 地域ドミナント

#02 クリームスキミング

#03 特定市場の支配

#04 グルーバル化

#05 顧客ライフマネジメント

#06 顧客の購買代理

#07 プラットフォーム

#08 ソリューション

#09 同質化

#10 アンバンドリング

#11 デファクトスタンダード

#12 ブルーオーシャン

#13 レーザーブレード

#14 フリー

とこのような。目次で確認すると、更に17で計31のビジネスモデルが紹介されています。

businessmodelcreation

「グローバル化」と一口に言うけれども・・

例えば「グローバル化」について、人口減少局面を迎えた日本市場から成長が見込める海外市場で事業拡大を狙う程度の事は、一般的に説明出来る事と思いますが

本書での紹介のされ方は・・

” トヨタ自動車、スズキ、コマツ、パナソニック、日立建機、エースコック、他 ” (20%)

で、採用されているビジネスモデルで

上記の表現は

” グローバル化とは、現在の日本国内における提供価値(製品・サービス)を海外、特に新興国において提供・販売し、

それと並行してビジネスシステムをグローバルに最適配置するビジネスモデルです。

先進国においては人口が伸びず、多くの産業でプロダクトライフサイクルの後半の停滞を経験する一方、

新興国では所得の上昇とともに市場が形成され、成長が始まっています。

そのため、日本など先進国における強みを新興国に移植して売上を増加させ、継続的な成長を目指します。

また、規模を達成し、業務活動や経営資源などのビジネスシステムをグローバルで最適配置する結果、

会社全体として有利な費用構造を持てるようになり、世界市場における競争力を維持・強化できます。”

と見事に表面的な事から背景まで見事に言語化。また、背景については・・

” グローバル化の前提となる環境側の要因は、主に2つあります。

1つ目の要因は先進国での市場形成の終焉と成長の始まりです。この市場の地理的な歪みを捉え、自社も新興国に拡大しないと成長ができなくなってしまうのです。

もう1つの要因は、国境という今まで市場を隔てていた境界の消滅です。従来国境が企業がのビジネスシステムを分断する界面として機能していたものが、

通信や物流、関税障壁の撤廃によって境界としての役割を果たさなくなり、グローバルで意味のある規模を達成し機能を最適配置しないと、これを達成した企業に敗れてしまうのです。” (21%)

とグローバル化を強いられる時代的背景などからも切り込まれ、重層的理解を手助けしてくれます。

本では更に

” 競合がグローバル市場において自社に先がけてシェアを確立してしまうと後発的にグローバル化しにくくなり、

その結果グローバル最適のビジネスシステムを作り上げられず、結果的に敗退することになります。

したがって、グローバル化は多くの企業にとって成長機会であるだけではなく、待ったなしで取り組むべき防衛策でもあるのです。” (21%)

等の深い分析が成されていますが、本書の価値はビジネスモデルが導入例と共に網羅的に紹介されているところですね。

Editor’s Note

電子書籍、タイトルも充実していて、だいぶ扱いに慣れて来た感じも今回の本は横書き。

business-models

キー・センテンスにぴったりにラインを引こうとすると、しばし難儀。これも慣れでしょうかな・・

神田昌典さんが教えてくれた「起業の本質」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その参

 

連日、表参道に行って、神田昌典さんの「ビジネスプロトタイピング講座」に参加。

>> 近藤太香巳さんが教えてくれた今、小さな事で活躍している事の大切さ:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その弐 <<

今までの2回は2時間+α(懇親会等)でしたが、今回は11:00〜18:00過ぎまでの長丁場。

神田さんの講演は「いまのビジネスは世界を挑発するモデルをつくれ!」と題され、最も楽しみな日でありました。

自ずと家を出る時間が早まり、開場時刻を若干過ぎた頃にACTION CENTERに到着すれば、神田さんが板書に没頭されている最中。

IMG_5957

最前列で空いた場所を目指せば、神田さん目と目が合い、自然な流れ挨拶を済ませ、着席。

IMG_5958
Ustream配信も行なわれたのでACTION CENTER内には複数のカメラが

考えるより、動き出す事

前日の近藤太香巳社長の「情報が多いと動けなる」の引用から始まり

プールで泳ぎ方を覚える際、いくら泳ぎの手順を覚えても水の中に入って泳いでみない事にははじまらないのは、起業についても一緒だと。

ここから話しは一気に、神田さんの学生時代にワープして、上智大学の頃「社会に出て何をすれば良いのか」分からない状態で、

外国に行かせてくれるとの理由から、半年間、図書館にこもって外務省試験の勉強をして、3年生の時に合格。

但し、入省後に外交の役割を論文で求められ、「意義なし」と回答して不合格とされたり、通訳の試験は話しにならない点数で不合格にされたり等、

一見、上智大学→外務省と輝かしいキャリアと思っていましたが、モラトリアム世代と称された将来、何をやっていいのか分からない状況での苦悩が聞け、イメージとのギャップがありました。

知識との出逢い、人からの教え

もともと外国に行かせてくれるとの動機で入省していた事と、周りで上級職で合格された方の仕事を見ていて

長く勤務される意思はなく、アメリカでMBAを取るなどして、民間の世界へ。

役人上がりで、営業等の経験はないことから転職に苦戦したり、早々にリストラの危機に直面したり。

海外の家電メーカーで苦労して販売した冷蔵庫の利益と、ふと事務所に飛び込んで来た無料で配られるとの携帯電話のキックバックの値段が同程度である事や

出張中に視界に飛び込んで来たダイレクトマーケティング、マインドマップ、フォトリーディングとの出会いに衝撃があり

「自分の人生を築く出逢いは、一瞬のように築かれる事」を認識。

その中でも、ダイレクトマーケティングの自分から営業を仕掛けるスタイルではなく、(自分の)商品が欲しいと思わせる人を集める手法、視点の切り替えは大きな出会いとなる事に。

そこで得られた知識を、勤務先にバレない形で小予算で実験を開始。1台も売れないなどの試みがあったものの、失敗の度に新しい出会いがあった。

知識との出会いを学びに止めず、実践に移されたところに、神田昌典ブランドの始まりが垣間見えました。

この段階で神田さんが学ばれた事に、「知識を見付ける前に動き出す」、インド人同僚からの「(理屈はいいんだ)キャッシュフローを作れ」との教えが胸に刻まれた。

具体的には今日の1万円を翌日10,100円にする感覚。キャッシュが入っても、ロゴを作ったり、名刺を作ったりする事にお金を回してはいけない。

起業とは、少しでも自分の器にお金が入ってくる場所、仕組みを作る事。

「粗利 x リピート」の絶対性

ここから、ビジネスの本質への切れ込みがあり、

「粗利 x リピート」の公式がとても大事で、殆どの起業家が失敗するのは粗利が低過ぎる。多くの人は仕入れると粗利を30%程度するが、最低でも60〜70%、本来は80〜90%は欲しい。

・粗利はどれ位取れるか?

・リピートするのか?

この二つの問い掛けは、とても大切。これを踏まえ1,000人の顧客がいれば、大概のビジネスは回るとの事。

起業家を感じ、感覚を馴染ませる

また、起業をする上で大事な事は、実際に起業をしている人と一緒にいる事。

神田さん流の表現では、起業してヘラヘラしている人を回りにおいて、セルフイメージを上げる。(笑)こんな事でも起業出来るんだといった感覚。

例えば観光バスの中古車販売のサイトを作ったりなど、手段は様々。

起業のために上る「3つのハシゴ」、起業の本質

起業には3つのプロセスがあり、まず「生活」するため。次に「地域」のため、そして「上場」。

地域、上場は社会性を帯びますが「上場」に関してはメリット、デメリットが様々存在するため、選択的となる。

ステージも「EGO(欲)」「SOUL(内面の充実)」「SELF(自分自身)」と3つに分かれ、男性は「EGO」から入る事が多く、女性は「SOUL」、40代から入る事が多い。

ここに今回のポイントがあって、始められるなら「SELF」から。

この事が分かっていれば、楽。その他、起業に関するインフラ的な機能は、無料(若しくはそれに近い状態)で備わっている。

人を集めようとすれば、分単位で優秀な人材を探すサービスは提供されているし

お金を集めると、それに見合う人が集まって来る。

その上でダークサイドに落ちない信用を身につけている事が大事。

起業とは、つまり自分自身が何者であるかを見付け出す事。

IMG_5961
約140分を経ての板書

真横で神田さんを体感

と、このような内容で神田さんのパートで2時間20分程度。午後は神田さんの全能思考ことフューチャーマッピングで

ライヴ講義参加者24名で共通したビジネスモデルを作ろうとの試み。実際、自分が発言した内容が板書されると俄然、当事者意識が高まりました。

IMG_5965
約240分を経て形作られたFuture Mapping

で、この後、懇親会。約20名の参加者に神田さんが含まれ、左横のポジションをがっちりキープ(笑)

「多くの人はお金は努力しないと稼げないと思い込んでいるが、神田さん曰くお金は想像の産物に過ぎない」と。

であるとか、神田さんが捉える中国でのビジネスの仕方(/日本国内で稼ぐ事は至難な時代)など、この場で3時間。

自分の日常を切り離す、感覚を書き換えていくには絶好の場であったと言えますが、(神田さん/成功者の真横で3時間)よく頑張りました(笑)

いつもはどんなに疲れても、ブログ書く気力は残っているものですが、金曜、土曜は帰宅するなり、寝落ちしてしまう感じで、自分にとって、雲の上の世界を間近で体感する尊き2日間の通過点でありました。

 

近藤太香巳さんが教えてくれた今、小さな事で活躍している事の大切さ:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その弐

 

神田昌典さんが、最初で最後、起業家育成を手掛けるプログラムの「ビジネスプロトタイピング講座」の第2回講座に参加。

今回は、株式会社ネクシィーズの近藤太香巳社長の登壇。近藤社長の講演は4月のセミナーズ・フェスタ以来、2度目。

近藤社長の最も人数を集めて行なった講演がセミナーズフェスタでの約6,000名で、最小が今回の30名程度。

IMG_5954
この距離感で体感した近藤社長の情熱

ビジネスプロトタイピング講座の初回は・・

>> 藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱 <<

2,000名規模のオンラインでのUstream受講者が居たものの、今回は非公開。

「無料で聴講出来ますよ」と情報を流して自分としては冷や汗ものの、史上最年少で上場を果たした起業家の話しを体感出来る稀少な機会。

今と大きく異なる時代背景

近藤社長が起業したのは若干19歳。当時はべンチャー、アントレプレナーといった言葉はなく、

「この若造に何が出来る」と門前払いされるのが常であったそうな。

良かったのは、情報が無かった時代なので考えながら動いた事。

近藤社長が起業志望者向けに講演される機会は多いものの、経営者になる人が少ないのは、今の時代、情報に溢れていて考え過ぎて行動出来ていないと。

Nexyz
経団連を超える経営者交流会 “Passion Leaders”を主催。会費月額1万円

超一流と一流を分ける僅かな心掛け

近藤社長が定義する仕事は想像と工夫だとして、以下のレベルに分類される。

三流・・・期待されない人

二流・・・期待されても出来なかった人

一流・・・期待に応えた人

超一流・・・期待を上回った人

一流と超一流の間はミリの差だとして、なり方は難しくない。

例えば文章を読むにしても熟読に熟読を重ね、句読点の打ち方であったり、図表への挿入であったり、目の前のものをピカピカに磨き上げる人が超一流。

近藤社長は社会に出て、上記、時代背景もあり、超一流を目指さないと相手してもらえなかった。

とにかく大事な事は、毎日、これがベストか?これがベストか?と問い続け、今、出来る事の最善を尽くす事。

images-2

近藤太香巳の処世術

近藤社長は創業から上場に至るまで、その間には上場取消などの辛酸を舐めながらも

華麗なビジネスキャリアを築かれていますが、その分、人脈も多方面に広がり

その中で、お聞き出来た処世術に好きな人、大切な人には徹底的にゴマをすれというもの。

例えば石原元東京都知事から突然のヨットの誘いを受け、二つ返事で快諾。二人でクルージングに出た際、

急な誘いで、いろいろ事情/用事があったであろうにもかかわらず、何も言わずに駆けつけてくれた事に、「だからお前は信用出来る」と褒められたりといったエピソードが紹介され

ご自身の経験で、好きな人と関係を深めていって仕事などで上手くいったケースは数知れぬも、逆に「嫌だな」と思いながら打算的に付き合った結果、上手くいった事は一度もなかったとの振り返り。

batman 2

未来は分からない。大切なのは「今」。

普段からマイナスの事は言わない心掛けをしているものの、思わず口からこぼれてしまった時には「うそうそ」と言って即座に取消し、運が逃げないように配慮。

嫌な事があったら作文する事を習慣にして、5行も書いているうちに思考が前向きなものに変わっていくようになる。

未来の事は分からないし、どうでも良い。大事なのは、今。今、小さな事で活躍している事が、これからの大きな事につながる。

暇な人ほど悩んでいるとして、一生懸命頑張り続けていると人間力は勝手についてきて、頑張る事で夢はどんどん膨らんでいく。

120751_20130603_133403_if-not-now-when-20130302432

常にアンテナを立て、考える習慣

企画という事に関して話しがあり、無から有を生み出す発明を想像しがちであるが、自分(近藤社長)はコレとコレを組み合わせたら面白い事を見付ける発見家である。

街中でいろいろなコピーを見て、それが生まれた背景を想像したり、自分が政治家だったら、どういう風に喋るかといった事を常に考えている。

逆境は力に

創業の地、香川県高松市から東京に進出したもののビジネスパートナーに騙され、大阪から上京した父親に里帰りを勧められるものの

東京で再起を誓い、渋谷駅で涙ながらに別れた父親に大声で叫んだ事で、覚悟が芽生えた。

ITバブルが弾け、上場取消、世の中が騒然となり、銀行が総撤退の動きを見せ、一気に倒産の危機に直面するも

社員が取ってくれたファイティング・ポーズに鼓舞され、SBIの現北尾会長に融資を申し出たところ15分で30億円の支援を得る。これは後に300億円にして還元したとの事。

孫正義が拡げてくれた器

後に孫正義さんと事業を共にする事があり、近藤社長が目一杯の見込み値を告げたところ「一桁足りない」と返され、それは途方もない数字であったそうで・・ 孫さんのスケールを実感。

後に、孫さんの求めていた数値を達成することになり、頑張れば頑張るほど凄い人に出逢える縁に恵まれ、こういった人たちが背伸びさせてくれる事を実感。

裏返すと、こういった出逢いに恵まれないと自分の枠は広がらない。

powerade-you-have

リーダーとして背負った宿命

ピンチとチャンスは常に隣り合わせ、ピンチの時は社員にその状況を共有する事が大事だが、必ず解決策を提示する事が大事。

そしてリーダーは奇跡を起こす。

その裏側では、今でも月に5〜10日は誘眠剤の力を借りないと寝れない日があるそうな。

小さな凄い事の積み重ねが大河に

講演は、近藤社長が指摘されていた通り、4月に耳にしていた内容と骨子は一緒でしたが間近で聴いて伝わる人間性に思い。

よく「試練は乗り越えられる人のために与えられる」といったことが言われますが、近藤社長流に表現すると「人は絶望を希望に変えられる」。

これでも、まだ自分の能力30〜40%しか発揮出来ていないと振り返られ、何よりの自慢は社員との関係。

毎年、ご自身の誕生日は盛大に祝ってもられるとの事。昨年は社員から集められたお金で、数百万円のジェットスキーがプレゼントされたとの事。

別の場所で聞いた話しでは、東証一部上場の社長ながら、社員一人一人に誕生日のメールを欠かさないとか。

帰り際、一旦退場しかけ、聴講者一人一人と握手にしに戻ってきた姿に

起業後の実績は超一流の領域ですが、裏側には精緻な気配りが行き届いての事を実感させられました。

IMG_5952
講演の場、表参道のACTION CENTER