オーストラリア人、オーストラリアの本当のところを移住20年超の沢木ソニー祐二さんから学ぶ一冊:『「おバカ大国」オーストラリア』読了記 ②

『「おバカ大国」オーストラリア  だけど幸福度世界1位! 日本20位!』の読了記、第二弾。

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目次をみると、

第一章:オーストラリア人が「おバカ」と呼ばれるこれだけの事情

第二章:それでもオーストラリアが幸福な理由

第三章:なぜかうまくいっているオーストラリア<国土・国民編>

第四章:なぜかうまくいってるオーストラリア<政治・経済編>

第五章:「おバカ」大国が教えてくれること

今回は、第一章で印象的であった箇所を引用します。

知られざるオーストラリア人の姿

” あくまで私見ですが、基本的に彼らの精神面での成熟度は15歳程度で「おとな」に達し、

そこから成長曲線が上がるのではなく、横ばいになっていく印象があります。” (9%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様 )

” よく働くオージーももちろんいます。まじめで熱心、時間外も気にせずよく働く、そんな人も一定数はいます。

ただし、すごく珍しい存在なのも事実だと思います。

個人的な感想としては、こちらでそういう人に出会うのは大体20人に1人、あるいは50人に1人くらいの割合ではないでしょうか。” (14%)

” オーストラリアの法令では正規雇用の場合、基本的に病気休暇は年間10日までと定められています。

でも具合が悪くなったのであれば、年間の日数などは誰も気には留めません。” (16%)

” かなりの長期間にわたって失業保険を受け取り続けている人々が多数います。

失業保険を受け取りながらサーフィンをして遊んで暮らしているような若い世代も珍しくありません。

日本と違って、給付は無制限。相続税・贈与税もない国なので、親の家に住んでいれば家賃の必要もないのでしょう。

親の大きな家に住みながら、空いている一部屋にシェアメイトを入れ、家賃を取り、ドール(失業保険)と家賃でのんびり暮らしている若い人たちがたくさんいます。” (16-17%)

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” 自分たちの祖先がどんな罪を犯したのか検索できるサイトもあり、そこからの「自分探し」も盛んです。

今の世代でも、「先祖が犯罪者だった」とあっけらかんと語るオーストラリア人はたくさんいます。

むしろ「祖父はこんな罪で植民地送りにされたのか」などと自分の歴史をたどることで感慨にふけるといいます。” (18%)

” なぜ信号機がこれほど多いのか。その理由をひとことで言えば、オーストラリア人は信号機そのものをよく認識できない、単純にそれだけでした。

さらに言うと「見ていない」し「気にしていない」し「分からない」のです。”(20%)

“オーストラリア国内を歩き回ったことがある人なら「どうしてまともな案内図が無いの」と怒った経験が一度や二度はあると思います。

これはソフトを造ることが苦手ということに加えて、「相手の都合を考えることが無い」「相手の立場には立たない」というオージー的な特徴がよく表れたものだと言えます。”(24%)

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オーストラリア人が分かる「3つの特徴」

これらを章の最後で、下記の通り「3つの特徴」として整理されています。

” 日本から見たときに「おバカ」と思われるであろう事例を、ここまでほんの一握りですが思いつくままに列挙しました。

章の最後にその3つの特徴を整理させてください。いずれもオージーを理解するために知っておいてソンは無いはずです。

一、原因と結果が結びつかない

「今これをしたら、あとからどうなるか」という関連付けをしない。酒を大量に飲んだらどうなるか、ドラッグでどんな後遺症が発生するか、

今働かないとあとからどうなるか、結末がイメージできない。あらかじめ結果を予測して取り組むことが無いまま、何も考えずにまずやってみる。

二、現状認識が著しく低い

今自分の周りで何が起こっているか、把握しようとする意識が低い。安全運転、信号機、案内図などの捉え方から分かるとおり、

基本的に周辺の状況を認識しない。細かいこと、微妙なこと、ささいなことなどは気にしない。

三、流刑者的なメンタリティ

捕まらなければそれでいい。見つからなければ悪いことにはならない。多少のルール違反は違反でない。

ヤバくなったらとりあえず逃げよう、という姿勢。” (28%)

「違い」から分り合えるオーストラリア人

日本と貿易や教育で繋がりの深い、資本主義国家で、土台は西洋と東洋で価値観の違いはあれども

多くの人が抱いているであろう(アメリカ、中国などと異なる)「親しみやすさ」から

近しい感覚は持っているであろうとの推測が働いていましたが、

この本を読んで、オーストラリア人にはオーストラリア人の、日本人には日本人の確固とした考え方があり、

それらは交わるものではなく、お互いが尊重されて然るべきことという前提に立つ事が、第一章だけでよく分かりました。


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