『週刊文春』新谷学編集長に学ぶ、スクープ連発の舞台裏、「不可能」を「可能」にする仕事術:『「週刊文春」編集長の仕事術』読了

『「週刊文春」編集長の仕事術』を読了。

先日読了した『文春砲』↓

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と合わせて、たびたび社会を騒然とさせる震源地『週刊文春』の現場、「文春砲」が放たれる舞台裏に迫った書籍で、

今回は新谷学編集長の立場から『週刊文集』のブランドが築かれている背景であったり、仕事術が語られたもの。

『週刊文春』が出来るまで

『週刊文春』という社会で確固たる存在感を確立しているだけに、さぞ高い基準が存在するのかと思いきや・・

冒頭「はじめに」の本書上梓に経緯に触れた部分で

” 「人に会い、情報を集め、交渉し、わかりやすく伝え、人の心を動かす」という我々が日々行っているこれらの作業は、他の仕事にも通ずる。

雑誌の編集長というと特殊な職業にように聞こえるが、実際はそんなことはない。仕事の本質、核の部分は、他の職業と変わらない。

むしろ、ビジネスの根幹である「人と人の関わり」を究極的に濃密に日々行っているのが我々の仕事なのだ。

依頼してきた編集者も「日々大量の仕事をさばき、最高のパフォーマンスを発揮する編集長の仕事術は、あらゆるビジネスパーソンに役立つはずだ」と言う。

そこで私はこの本を書くことに決めた。”(p3)

但し、仕事を貫徹していく姿勢には哲学、独自性が読み取れ、

” こういう時代だからこそ、とにかくおもしろいものを追求する。人がやったことのないものに挑戦する。そういう精神が大切なものだと思っている。

「不況」という言葉の前に思考停止になり、縮こまっていては何も始まらない。

「今は売れない時代だし・・・」「そんなにお金もかけられないし・・・」などと「不況」を「おもしろいものを作れないことの言い訳」にしてはいけない。

本当におもしろいものを作れば、人の心に響き、きちんとビジネスにもなるし、負のスパイラルを逆回転させることもできるはずなのだ。”(p5-6)

” そもそも「不可能」を「可能」にするからこそ、おもしろいし、夢があるのだ。そしてそれこそが私たちの仕事なのである。”(p68)

そこには

” 私はもともとの性格がポジティブだからなのか、何ごとも「こうなったらどうしよう」と心配するよりも、

まず「こうなったらおもしろいな」と考える。

仕事の上でもあらゆる局面で「ベスト」と「ワースト」、2つのシナリオを描くわけだが、まず「ベスト」の内容を吟味するのだ。

「いちばんうまくいったら、最高の到達点はどこなのだろう」とイメージする。

リスク管理のため、最悪だったらどうなるかも一方では考える。そして、現実はだいたいそのあいだで起こるものだ。”(p71-72)

という性格や心がけについて指摘されています。また、

” 「こんなことを書いたら切られるんじゃないか」「嫌われたら困る」といって顔色を窺うようになったら、ジャーナリストとは言えない。”(p125)

と必要性から取材対象者と親しくなっても、記事にする段階で私情は捨て去ることの厳しさにも言及されており、頭では分かっていても印象的な一文でした。

「おもしろい」と創意工夫で突き抜ける覚悟

『週刊文春』が、社会で存在感を示している根幹には

” 基本的には、おもしろいもの、ビックリするものを求めているため、マーケティングは役に立たないのだ。”(p76-77)

という視座であったり、仕事術に関しては

” 世の中には予定調和をめざすように躾けられているサラリーマンも少なくないと思う。これは本当に気の毒だ。何よりも楽しくないだろう。

伸びる記者かそうでないかを見分けるのは簡単だ。例えば「あれやってくれ」と指示をする。その指示に対して「指示どおりやったけどダメでした」と報告に来る記者は、そこまでだろう。

本当に優秀な人間は「言われたとおりやってダメだったけど、こうやったらできるんじゃないですか」と返す。

「こうすれば、記事は形になりますよ」「実際、こうやってみました」とくれば言うことなしだ。”(p79)

に要諦があるものと読み取りましたが、

社会を騒然とさせたスクープなどを事例に、読者それぞれに汎用性のある形でマインドセットなり、仕事術なりが説かれている一冊で、

具体例が豊富である分、本書をおもしろく読み進められる読者は幅広く存在することでしょう。

 


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