荻原浩さんが、直木賞受賞作で描いた六つの情景:『海の見える理髪店』読了

先週末、第155回直木賞受賞作の『海の見える理髪店』を読了。

ノンフィクション好きで、フィクションに文学を読む習慣がない自分ながら

先日読了の内村光良さんの『金メダル男』に続いての小説。

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直木賞と芥川賞の違いもよく分からない中、本書を手に取ったのは、本に描かれているイラスト↓に惹かれての経緯から。

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本に書かれてある直筆サインとイラスト.-

他の書店で、カラー版も見掛けましたが、「やっぱ買おうかな」と買いに行った時には売り切れており・・。

六つの設定、交差する人生遍歴

本の帯に、

” 誰の人生にも訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に沁みる家族小説集 “

とあり、本書に収録されているのは、

海の見える理髪店

いつか来た道

遠くから来た手紙

空は今日もスカイ

時のない時計

成人式

の六編。

本全体が受賞対象となったのか、タイトル作(『海の見える理髪店』)が受賞作になったのか、

詳しい背景は承知していませんが、

例えば『海の見える理髪店』は転機を迎え理髪店を訪れた客に、理髪店の主人が仰天の過去を述懐する話しであったり、

『時のない時計』は、遺品として受け継ぐことになった時計が動かず、修理で訪れた時計店で交差する人生模様に、

成人式は、我が子を事故で失った両親が、会話の弾み?から娘の代わりに成人式への出席を企てた展開の一部始終。

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一冊の本で交差する普通の人たちのちょっとした過去

『時のない時計』で感じた頑固さは、読んでいて他人事と思えない箇所もあり(笑)それぞれの世界感が伝わってきました。

原則、電車での移動中に読み進める形となり、話しを通して読めるのではなく、途切れ途切れで

途中から読むと、場面、情景を頭で描くことがスムーズでなかったり、ロスがあり、

休みの日など、まとまった時間のある時に、直木賞を受賞された文章力で描き起こされる世界を楽しまれてみては如何でしょう ^^

 


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