ミステリーハンター宮地眞理子さんの北極から南極に及ぶ痛快!体当たり旅行記20編:『地球のふしぎを歩こう』読了

TV番組「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとしてご活躍中の宮地眞理子さんの『地球のふしぎを歩こう』を読了.-

番組を通じて渡航されたご経験が一冊の本として上梓されたもので、巻頭を飾るオーストラリアから北極、南極に至るまで、全20編の旅行記を収録。

私はTVを見る習慣がなく、本書を手に取るきっかけとなったのは

先日、在日オーストラリア大使館で開催されたニュー・イヤー・パーティーに宮地さんもご参加されたことによるもの。

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<< 2016年1月23日投稿:画像は記事にリンク >> オーストラリア大使館で開催されたCLUB AUSTRALIA主催のニュー・イヤー・パティで180名の参加者と共有した熱気

優雅とは裏腹な体当たり奮戦記

その時、同じく参加者であった俳優の柴俊夫さんとの即席のトークショーで

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柴俊夫さんと宮地眞理子さんの出版記念即席トークショー@オーストラリア大使館.-
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著者のミステリーハンター宮地眞理子さんと

宮地さんの累計の訪問国数35と記憶しており、「ただで、それだけの国を旅行出来て羨ましいなぁ」なんて思って耳を傾けていましたが

本を開くと、文字通り「体を張られている」の様子が浮かび上がってきて、例えば南米ペルー行きに関して・・

”  日本の裏側に位置しているので、行くまでが本当に大変!まずはアメリカまで十二〜十三時間。

乗り継ぎにまた時間がかかり、空港で十時間くらい過ごし、そのあとペルーまで十三〜十四時間。到着まで二日は費やします。

そのおかけで、七〜八時間のフライトなら、あっという間に感じられるようになりました。

初めてのペルーは、今から十年前。三九度の超えの熱を出しました。

普段、丈夫な方なのですが、地面と掘ってそこに野菜や肉を焼け石とともに入れて蒸し上げる「パチャマンカ」という伝統料理に見事あたりました。”(p69〜70)

と、自分の意思では決めることが出来ない渡航先で、仕事となると体調云々言ってられず、また、得体の知れない食事(ex. コウモリ、ビーバー)が供される描写の複数登場し・・

その厳しさを実感させられます ^~^;A

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オーストラリア大使館で著者の宮地眞理子さんに頂いたサイン.-

一歩間違えば?!と背中合わせの・・

また、収録に際してはペルーのワニ漁の件(くだり)から引用すると・・

” 日も沈み、真っ暗で周りが何も見えない時間帯に出発します。

ワニはとても敏感なので、物音は立てられません。水面ギリギリのカヌーで静かに漕ぎだしていきます。

とにかく湿気が高い。じとーっとイヤな暑さが体にまとわりついてきて、汗が次から次へと噴き出してきます。

汗で衣服が体にピタッとはりつくのですが、なんとその上から蚊が刺してくるのです。

ひーっ、アマゾンの蚊は強い。

蒸し暑いし、痒い。早くワニを捕まえて帰りたい。でも、こんな小さなカヌーにワニを載せられても逃げ場がないし、それも怖い。”(p70-71)

視界が限られる中、極限の状態で、しかもターゲットは獰猛なことで知られるワニと、、。

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2月7日(日曜日)開催予定の本書発売記念のトーク&サイン会.-(画像はイベントページにリンク)

また、マレーシアの洞窟探訪に際しては・・

” クリアウォーターケイブは東南アジア一番の長さ。全長一〇七キロ!東京から静岡県の熱海あたりまで。日本なら複数の県をまたぐ距離です。スケールが違う。

入り口に向かっている途中から、水が変わりだします。抜群の透明度を誇り、底がすべてまる見え。水の清らかさが際立ちます。

洞窟といっても色々な種類があるのですね。

さらにその中でもかなり奥深くに位置するドランクンフォレストケイブを目指します。

なんでも、世界でもここでしか見られない光景があるのだとか。意気揚々と出発!

歩いてからだいぶ早い段階で、道なき道へ分け入ります。背丈以上もある、力強く繁る植物。

バサバサとかき分けながら進みますが、なかなか手強い。

湿気を帯びた森の中はとても蒸し暑く、体全体にジットリまとわりついてきます。どんどん奪われていく体力。

・・中略・・

さらに行くと、目の前にはロッククライミングのように切り立った急峻な崖。こんなに大変だとは思わなかった!

泥まみれの汗まみれ。行けども行けども辿り着かない。疲れが体を支配し始めた頃、お腹にチクッと痛みが走りました。

なんだろと思って見てみると、なんとヒルが!!

しっかり食いついてるよ!!嘘でしょ?!完全防備していたはずなのに、どこから入ってきたのでしょうか。

長さ二センチほどのヒルはタイガーリーチと言って、木の上から獲物を探すそう。ひとたび獲物を見つけると、飛び掛かるらいしいです。恐ろしや。

血を吸われながらも五時間歩き、なんとか洞窟へ到着。”(p144-145)

という具合(苦笑)

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次の旅の目的地選びに、秘境マニアに・・

ということの反面、やっぱり「羨ましいなぁー」と思うシチュエーションも本のあちらこちらに。

特に本の序盤を飾る「1章  一度は見たい「絶景」」に、そういったシーンが数多く

オーストラリアで雲に乗る感覚を得られるとの「モーニンググローリー」であったり、

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東京から福岡までの距離に相当する1,000kmに及ぶパイプ状に伸びた雲、モーニンググローリー。オーストラリア北東部の町パークタウン上空で限られた条件でしか見られないそうな(p16-17掲載の写真)

絶景としてお馴染みで私自身の行きたい所の上位にあるボリビアのウユニ塩湖など。

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やっぱり行ってみたいウユニ塩湖(p42-43掲載の写真)

映像全盛の時代で、文字で宮地さんがご覧になられた状況を頭にイメージすることに限界(視覚を言語化された宮地さんもさぞ大変であったろうと)も感じますが

「ふしぎ発見!」の番組のファンの方々はもちろんのこと、旅行者の中級者以上に方々にとっては、次の訪問先を決めるガイドブックとして、また或いは秘境に惹かれる方々など。

一国10ページ程度にまとめられていて読みやすく、その中には写真も適度に挿入。ご自宅や移動中などに軽く想像の世界、イマジネーションを掻き立てられます。

 


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