竹田恒泰さんが思いを込めた日本人のための教科書:『中学 歴史』(文部科学省検定不合格教科書・第5版 ー ほぼ合格の完結版)読了

表紙に「不合格教科書シリーズ005」と掲げられた竹田恒泰さんが主筆を務められている国史教科書編纂委員会の『中学 歴史』文部科学省検定不合格教科書・第5版を読了。

竹田恒泰さんの

” もし真っ当な教科書が普及したなら、真っ当な青年が育ち、将来、日本の指導者になって、そのときに本当の日本が復興するのではあるまいか、正しい教科書を普及させることの価値はじつに大きい。そのために有志が集い、始まったのが『国史教科書』編纂計画である。” (vii)

との取り組みが、↓形として2019年に示されて以来、

<< 2019年7月28日投稿:画像は記事にリンク >> 竹田恒泰さんが思いを込めた日本人のための教科書:『国史教科書』(中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書 )読了

検定結果の可否が公になる3月になると竹田恒泰さんの発信を通じて文部科学省の判断に注目していましたが、

” 令和三年六月に文部科学省の教科書検定に提出した「第4版・令和3年度版」は、検定の最終段階に進むも、不合格となった。しかし、令和三年度内に「修正表」により大幅な修正を施した「修正第4版」は、欠陥箇所の指定がわずかに残っただけで、合格に限りなく近づいたとの感触を得ている。”(ii)

とのご報告で、光は差してきたものの「今回もダメだったかぁ」と対峙した壁の高さを改めて実感させられることに。

という経緯から上梓された本書、本来は特に前版↓

<< 2022年7月3日投稿:画像は記事にリンク >> 竹田恒泰さんが思いを込めた日本人のための教科書:『国史教科書』(中学 歴史 令和3年度文部科学省検定不合格教科書 )読了

と比較して記述の変化を確認しながらの読み進めが王道となるでしょうが、そこは譲歩させて頂き、

第一章 原始」から「第六章 現代」  まで約460ページ(別途、巻末資料等)、

” 昭和十六年(一九四一)四月には日ソ中立条約を締結しました。ところが、そのわずか二ヵ月後、ドイツは独ソ不可侵条約を破ってソ連に攻め込みました。

このことは事前に日本に知らされていませんでした。松岡洋右外務大臣は、日ソ中立条約を破棄してでも同盟国としてソ連に攻め込んで挟み撃ちにすべきという北進論を主張しましたが、近衛文麿首相はこれを却下しました。これが日本の運命の分かれ目でした。”(p368)

という歴史の転換に、

” 交換手たちは、自分たちの仕事の重要性を認識していたのでしょう。それゆえ自ら残留を希望し、ロシア軍の攻撃が近づくなか、恐怖に震えながらも職務を遂行したのだと思われます。”(p398)

という真岡郵便電信局事件(p396-398)に

” 南三陸町は町全体が津波で流されましたが、町民約一万七七〇〇人のうち、半数近くが避難して生き残りました。遠藤さんの緊迫した声を聴いて、迫り来る危機を感じ避難を始めた人も多かったといいます。”(p447)

といういまだ記憶に新しい東日本大震災で職務を全うされたがゆえ命を落とされることになった遠藤未希さんに、生きざまを感じさせられる史実に読み応えと襟を正される思いを抱かされての半月超に及ぶ読書(学び)機会となりました。

今回で

” もう不合格教科書を発売するのは、今回で最後にしたい。”(ii)

とのこと。竹田恒泰さんの思いが届き、教育現場で選択肢が示される日が遠からず訪れることを切に望みます。


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